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「日中が近づきすぎるとアメリカが...」中国政府高官独自取材

2018年10月26日(金)11時46分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

10月25日、人民大会堂で安倍総理と握手する李克強国務院総理 Roman Pilipey/REUTERS

10月25日午後の日中平和友好条約締結40周年記念レセプションで李克強があまりに厳しい表情で「日本は戦争責任を反省し」と来たので、歓迎ムードとの違和感を覚え中国政府高官を取材した。その結果、習近平の本心が見えてきた。

李克強の厳しい表情とお説教

25日午後、北京に着いた安倍総理一行は、人民大会堂で開催された日中平和友好条約締結40周年記念レセプションに出席した。

まず李克強首相(国務院総理)の挨拶があったのだが、李克強は「国の字」型の真四角な顔を際立たせる非常に厳しい表情で壇上に立ち、以下のような挨拶をした(中日は日中とした)。

──日中平和友好条約は法律的に日中双方が平和的に処理して世々代々の友好という大きな方向性を確立したものだが、日本が戦争責任を深刻に反省し、一つの中国の原則を堅持するという重要な態度を含めた「日中共同声明」の各項目を確認し合った。

李克強はその間、ニコリともしなかった。

まるで「いいな!日本は戦争責任を反省する立場にあることを忘れるなよ!だから全て譲歩しろ!台湾に関しても、ゆめゆめトランプのように"一つの中国"原則を揺るがすような言動をするなどということを考えるなよ!」とクギを刺しているように見えた。

中央テレビ局CCTV夜7時(日本時間8時)のニュースで報道した内容は、その部分だけだったので、歓迎ムードとはあまりにかけ離れた李克強の表情と言葉に、非常な違和感を覚え、これは一体どういうことなのか、中国政府高官を取材した。

すると、「ついに習近平の心が見えた!」と思われるような回答が戻ってきた。

「日中が近づきすぎると、アメリカが......」

李克強の厳しい表情と言葉に、中国政府高官も興奮冷めやらぬ心理だったらしい。彼は「思わず」なのか、つい、「中国の本心」を凄まじい勢いで吐露してしまったのだ。それは正に「習近平の本心」そのものであると感じたので、もうこれ以上コラムを連続して書くのはやめようと思っていたのだが、やはりご披露したい。

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