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トランプ、利上げするFRBを連日攻撃 その5つのポイント

2018年10月29日(月)08時43分

●大統領がFRBを批判した過去の事例

近年FRBの政策に口を出した大統領はいないが、過去にはFRBに不満や苛立ちをぶつけた例がある。

ジョージ・W・ブッシュ氏は1992年の大統領選の敗北をグリーンスパンFRB議長のせいにした。また、リンドン・ジョンソン氏は1962年に利上げを巡りウィリアム・マーチンFRB議長と対立した。

ジョージ・ワシントン大のサラ・ブラインダー氏(政治科学)によると、ツイッターやメディアを使ったトランプ氏のFRB議長に対する攻撃は注目度が高い。しかし1960年代や70年代のFRB議長は大統領から面と向かって要求を突き付けられており、トランプ氏の戦略に当時ほどの圧力はないという。

ニクソン氏はFRB議長をマーチン氏からアーサー・バーンズ氏へとすげ替え、利下げを飲ませたが、こうした政策はインフレ高騰を招き、失敗だったと受け止められている。

●FRBの対応と攻撃のリスク

これまでのところトランプ氏の口先攻撃はFRBに目に見える影響を及ぼしておらず、FRBは段階的利上げの方針を堅持している。

リスクの1つは、トランプ氏がFRB批判を止めず、FRBが現在の路線を維持し続けるかどうかを投資家が不安に感じ始めて米国の金融政策の方向性を巡って不透明感が高まり、市場の信頼感が揺らぐケースだ。



[ワシントン 25日 ロイター]


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