最新記事
日本社会

【写真特集】東京に集う単身者という「細胞」たち

CELL

2018年8月22日(水)18時00分
Photographs by TAKESHI TOKITSU

KEIKO (32)/TATTOO ARTIST/TOKYO/¥3,500,000/ARAKAWA-KU, TOKYO

<東京では単身者とその世帯が都市を形作る細胞のように増殖し続ける>

都会で核家族を築いた子供と、地方に残された年老いた両親。1953年、小津安二郎は映画『東京物語』で、高度成長期へ向かうただ中で変わりつつある家族の関係性や距離感を描いた。そして30年後の83年、森田芳光が映画『家族ゲーム』で描いたのは、つながりを失っていく核家族の姿だった。

それから30年余り。社会やライフスタイルの変化を背景に未婚・晩婚化、個人化は進み、「おひとりさま」「ソロ充」の流行語を生む。20年後には、東京都区部の半数以上が単身世帯になるといわれ、ルームシェアやグループリビングなど「疑似家族」も広がりをみせる。

「核家族の時代」が過ぎ去り、「おひとりさまの時代」が到来したとき、家族の形はどうなっているのだろう。

過疎化する地方とは裏腹に、人々をのみ込み、有機体のように変化と膨張を続ける東京。かつて「親と子」が集った家々は空き家となり、独身者たちは集合住宅へと集約されていく。

冷たいコンクリートの表層の裏側で、独身者とそのすみかは都市を形作る細胞のように増殖し続ける。その姿は、人々が個人化していく巨大都市・東京の今を映し出している。

時津剛(フォトグラファー)

*写真キャプションは、名前(年齢)/職業/出身地/年収/撮影地(すべて撮影時)。東京のソニーイメージングギャラリーで開催される時津の写真展『CELL』では、東京の単身者を自室で撮影した43点が展示される(8月24日から9月6日まで)

cell180822-02.jpg

ZEN (25)/COMPANY PRESIDENT/SHANGHAI/¥5,000,000/TOSHIMA-KU, TOKYO


cell180822-03.jpg

KYOKO (38)/PIANIST/AICHI/¥3,000,000/NERIMA-KU. TOKYO


cell180822-04.jpg

MIYABI (29)/DESIGNER, STYLIST/KANAGAWA/¥4,000,000/MEGURO-KU, TOKYO

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国輸出、5月は前年比-1.3% 米中向けが大幅に

ワールド

米の鉄鋼関税引き上げ、EUが批判 「報復の用意」

ワールド

ガザ停戦案、ハマスは修正要求 米特使「受け入れられ

ワールド

米国防長官、「中国の脅威」警告 アジア同盟国に国防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    メーガン妃は「お辞儀」したのか?...シャーロット王…
  • 9
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 3
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 4
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中