最新記事

日本企業

西友売却されてドンキに変身? ドンキホーテ、年内にはECにも進出か?

2018年8月13日(月)17時38分

8月13日、ドンキホーテホールディングスの大原孝治社長兼CEO(最高経営責任者)は事業説明会で、米小売大手ウォルマートが傘下の西友を売却するならば「興味はある」と述べ、前向きな姿勢を示した。。7月に西友の東京本社ビルで撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

ドンキホーテホールディングス<7532.T>の大原孝治社長兼CEO(最高経営責任者)は13日の事業説明会で、米小売大手ウォルマートが傘下の西友を売却するならば「興味はある」と述べ、前向きな姿勢を示した。

西友売却については「マスコミで見た情報だけ」とした上で、「不動産がなければ小売業はできない。人材などに加え、当然、全てではないが、今では手に入らないような立地が多数ある。もし、本当に売るならば、細かく精査したい」と述べた。

ドンキホーテHDは、撤退した総合スーパー(GMS)の居抜き物件に出店するなどして店舗網を拡充してきており、物件に合わせた複数の出店フォーマットを有している。

2019年6月期の新規出店は20店舗程度を予定している。また、6店舗でスタートしたユニーとの新業態店舗は、2019年中にさらに20店舗を転換することで合意した。転換した6店舗は、転換前に比べて売上高が90%増、客数が70%増、粗利高が60%増と好調に推移しているという。

同社は、10日に2019年6月期の業績見通しを発表した。連結売上高は1兆円(前年比6.2%増)、営業利益530億円(同2.8%増)で、30期連続の増収増益となる見通し。年間配当は33円で、16期連続の増配を計画している。

「ビジョン2020」では、2020年6月期に売上高1兆円(18年6月期は9415億円)、店舗数500店舗(同418店舗)、ROE15%(同13.3%)を掲げている。「ビジョン2020」以降について、大原CEOは「売上高2兆円は十二分に達成可能」とし、在任中に営業利益1000億円を達成したいと述べた。

小売業では、アマゾンのようなEC(電子商取引)が急激な伸びを示している。ただ、大原CEOは、音楽のダウンロードが増えてもライブがなくならないことを例に挙げ、「ダウンロードした音楽がアマゾンなら、ライブ会場がドンキホーテ。どちらもライフスタイルには必要」と指摘。その上で「アナログとデジタルのスーパーハイブリッド業態を年内めどに立ち上げる予定」とした。

また、同社は、東京都渋谷区に地上28階、地下1階で、店舗、オフィス、ホテルが入る複合ビルを建設すると発表した。旧ドン・キホーテ渋谷店を含む5700平方メートルの敷地。2022年4月の竣工を予定している。

(清水律子)

[東京 13日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中