最新記事

W杯

W杯フランス決勝の日はエッフェル塔を閉鎖

2018年7月13日(金)17時00分
ダミアン・シャルコフ

ベルギー戦の勝利に喜ぶフランスサポーター。次はW杯2度目の優勝がかかっている Gonzalo Fuentes-REUTERS

<優勝すればパリ史上最大のストリート・パーティーも予想される>

フランスの首都パリの観光名所エッフェル塔が、ロシアW杯決勝戦の日に閉鎖されることになった。4面の巨大スクリーンに流れる試合中継を観戦するため、ふもとの公園に最大9万人のフランスサポーターが集結するからだ。

フランスの決勝戦の対戦相手は、初の決勝進出となるクロアチア。サッカー界最大の栄誉であるW杯で優勝トロフィーをつかむため、フランスは1998年大会以来5大会ぶり2度目の頂点を目指して戦う。パリ当局も優勝をかけた大一番で全面的な協力を約束したため、熱狂したサポーターがパリ史上最大のストリート・パーティーを繰り広げるかもしれない。

「安全上の理由から、7月15日はエッフェル塔を閉鎖します。エッフェル塔に隣接したシャン・ド・マルス公園に、W杯決勝戦を観戦するためのファンゾーンを設置するためです」という案内文が7月12日、エッフェル塔の公式ホームページにアップされた。「(エッフェル塔への)入場チケットを購入済みのお客様には、2カ月以内にクレジットカードの口座に全額返金します」

7月10日に行われたベルギーとの準決勝では、パリ市庁舎前のファンゾーンに2万人の市民が駆けつけ、声援を送った。決勝戦は、市中心部を流れるセーヌ川の南岸に面するシャン・ド・マルス公園にファンゾーンが移動する。パリ当局は約8万人を上回るサポーターが集まった場合に備え、約4000人の警察官を警備に当たらせる予定、とラジオ局フランス・ブルーは伝えた。

大都市も観戦を後押し

年間700万人の観光客を誇るエッフェル塔が決勝当日に閉鎖されるのは、その下に100平方メートルの1面を含む計4面の巨大スクリーンが設置され、パブリックビューイングが行われるため。

イベントのスローガンは「フランス最大のファンゾーン」。フランスの大都市の多くが決勝戦のパブリックビューイングを計画しており、リヨンやトゥールーズ、ニース、リールなどの地方都市はこぞって、大型スクリーンを備えたファンゾーンを設けると発表した。ただし、パリに次ぐフランス第2の都市マルセイユは、まだ大勢のサポーターが決勝戦をどこで観戦できるかいまだに発表しておらず、ソーシャルメディアは住民からの苦情があふれている。

フランスは2000年の欧州選手権を制して以来18年間、主要大会で優勝していない。前回優勝のドイツや優勝の有力候補だったブラジルなどの強豪国が敗退した今、フランスがクロアチアを破って王者に返り咲く公算が大きい、とみられている。

(翻訳:河原里香)

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

鉄鋼関税、2倍の50%に引き上げへ トランプ米大統

ビジネス

アングル:トランプ関税、世界主要企業の負担総額34

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中