仮にも全面戦争となった場合、イスラエルには核カードがある。秘密のベールに覆われているが、核弾頭数は75発とも400発ともされる。そして地上配備の弾道ミサイルも潜水艦発射型の巡航ミサイルもある。

一方、核合意の崩壊でイランが核開発を再開しても、完成には何年もかかる。ただし弾道ミサイルの改良には力を入れていて、十分にイスラエルを攻撃できる能力を有する。

特殊部隊はどうか。イスラエルの諜報機関モサドは大胆な暗殺作戦で有名だ。イラン革命防衛隊にも精鋭のクッズ部隊があり、秘密工作を担当している。アメリカがイラクを占領していた時期には、反米勢力に破壊力の強い簡易爆弾を提供して何百人ものアメリカ兵を殺害した。

しかもイランには、レバノンのシーア派武装組織ヒズボラをはじめ、中東各地に仲間がいる。とりわけヒズボラはレバノン政府軍よりも強力だ。

諸外国との関係はどうか。イスラエルとアメリカは同盟国であり、最近のイランはロシアに接近している。仮にもミサイルが飛び交う事態となった場合、こうした大国はどう動くだろうか。賢明に対処しなければ、中東全域が火の海と化す。

<本誌2018年6月19日号掲載>

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