最新記事

米朝首脳会談

トランプ、金正恩の米国招請を示唆 拉致問題言及を確約

2018年6月8日(金)08時29分

 6月7日、トランプ米大統領(写真)は、安倍晋三首相との会談後の共同記者会見で、来週の米朝首脳会談が成功裏に終われば、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長をワシントンのホワイトハウスに招待する可能性があることを明らかにした。(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領は7日、安倍晋三首相との会談後の共同記者会見で、来週の米朝首脳会談が成功裏に終われば、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長をワシントンのホワイトハウスに招待する可能性があることを明らかにした。

またトランプ大統領は安倍首相に対し、12日の金委員長との会談で拉致問題を取り上げることを確約。「安倍首相はこの件について長い時間をかけ、情熱的に語った。私は安倍首相のこうした願望を受け、北朝鮮とこの件について必ず協議する」と述べた。

トランプ大統領はこのほか、米朝首脳会談で朝鮮戦争を終結させるための合意文書を締結する可能性があるとも発言。「われわれが合意文書にサインする可能性はある」とした上で「これが第一歩になることは周知の通りで、おそらく容易な部分と言える。その先に困難な部分が待ち構えている」と語った。

トランプ大統領は米朝がいつか国交を正常化できることを望んでいるとも述べた。ただ、首脳会談がうまく行かなかった場合は、北朝鮮に対する制裁措置を強化する可能性もあるとした。

トランプ氏は安倍首相のホワイトハウス到着後、北朝鮮による核放棄が重要だとし、「北朝鮮が非核化を行わないことは容認できない」と記者団に発言。共同記者会見では「歩み去る用意は完全にできている」と述べた。

こうした強硬姿勢の一方で、金委員長をワシントンに招待する可能性があるとも言明。記者団の質問に対し、「彼は歓迎されるだろう。非常に好意的に受け止めると考えているため、実現する可能性はある」と述べた。

日米の通商関係については、改善に向け双方が協力していると述べ、安倍首相が新たな対米投資を約束したと明らかにした。

トランプ氏は、安倍首相から「軍用機やボーイング製の航空機、農産物を含め日本は数十億ドル規模のあらゆる米国製品」を新たに購入しているとの話があったとした上で、「多大な貿易不均衡の是正や貿易障壁の撤廃、公正かつ互恵的な経済関係の達成に向け、われわれは懸命に取り組んでいるところだ」と述べた。

さらに米国での新工場への投資を日本側に促したところ、安倍首相は「実現する」と応じたと説明。「われわれはミシガン、ペンシルバニア、オハイオの各州で新たな自動車工場が欲しい」と語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも

ビジネス

米バークシャー、アルファベット株43億ドル取得 ア

ワールド

焦点:社会の「自由化」進むイラン、水面下で反体制派
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 5
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 8
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 9
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中