最新記事

貿易

トランプ政権「TPP復帰」はあり得るか? その条件とリスク

2018年4月19日(木)08時40分

4月16日、トランプ米大統領(写真)は先週、就任直後に脱退を決めたTPPについて、オバマ前政権下で合意した条件より「大幅に良く」なる場合には復帰を検討すると表明した。米フロリダ州で撮影(2018年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領は先週、就任直後に脱退を決めた環太平洋連携協定(TPP)について、オバマ前政権下で合意した条件より「大幅に良く」なる場合には復帰を検討すると表明した。

現在、TPP交渉はどのような状態にあり、米国が交渉に復帰するには、どのような条件を満たす必要があるのかを検証した。

TPPとCPTPPとは何か

米国を含めた12カ国が合意した当初の通商協定はTPPと呼ばれている。主要通商政策の1つとしてTPPを掲げたオバマ前大統領は、批准に必要な議会同意を得ることができなかった。

米国の雇用を守るとして、トランプ氏が2017年1月の大統領就任から3日後にTPP脱退を表明したことにより、TPPの成立が危ぶまれる事態に陥った。

米国の脱退を受け、日本を含む残りの11カ国はTPPの内容をさらに協議。米国の要請でTPPに盛り込まれていた条件の一部を外す形で、再び合意に達した。11カ国は3月、「TPP11」とも呼ばれる「包括的および先進的環太平洋連携協定(CPTPP)」に署名した。

加盟国は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポールとベトナムの11カ国。新協定はこのうち6カ国の批准をもって発効する。

加盟11カ国の国内総生産(GDP)は約10兆ドル(約1070兆円)に達しており、世界全体の13%を占める巨大経済圏において、関税を大幅に引き下げる。米国が参加していれば、世界経済の40%を占めていた。

TPPに関する最近のトランプ発言

トランプ大統領は12日、TPP復帰を検討するよう、通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と国家経済会議(NEC)のカドロー委員長に指示した。共和党議員がトランプ氏との会合後に明らかにした。

トランプ氏は同日、以下のようにツイッターに投稿した。

「オバマ大統領時代よりも内容が大幅に良くなる場合に限って、TPPに復帰する。われわれはTPP加盟11カ国のうち6カ国と既に2国間協定で合意している。(TPP参加国の中で)最大の日本との合意に向け作業を進めている。日本は長年にわたって通商でわれわれに大きな打撃を与えている」

また、1月25日付の米CNBCテレビのインタビューでは、以下のように発言している。

「前よりも大きく改善した合意を得ることができればTPPに参加する。以前の合意はひどいものだった」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮の朝鮮労働党大会が開幕、金総書記「経済は不況

ビジネス

再送-インタビュー:USスチール、来期は収益貢献 

ビジネス

再送-インタビュー:1%への利上げ、無担保コール急

ビジネス

米国株式市場=反落、PE関連株に売り ウォルマート
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 5
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 6
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 7
    カンボジア詐欺工場に「人身売買」されたアフリカ人…
  • 8
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 9
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 10
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 5
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 8
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中