最新記事

社会主義

キューバ、新議長が就任 革命精神維持と経済近代化の両立は可能か

2018年4月20日(金)15時20分

4月19日、社会主義国キューバの国家評議会議長(元首)に就任したミゲル・ディアスカネル氏(左)は就任演説で、1959年のキューバ革命の精神は守り続けていくが、経済の一層の近代化も必要だと強調した。ハバナの国会議事堂で撮影(2018年 ロイター)

社会主義国キューバの国家評議会議長(元首)に就任したミゲル・ディアスカネル氏は19日の就任演説で、1959年のキューバ革命の精神は守り続けていくが、経済の一層の近代化も必要だと強調した。

ディアスカネル議長は「国民から与えられたのは、この極めて重大な時期に革命を継続せよとの負託だ」と述べた。また、2021年まで共産党トップの第1書記の座にとどまる前任のラウル・カストロ氏の功績を称え、同氏は引き続き改革のリーダー役であり、重大な決定には関わっていくと強調した。

カストロ氏は壇上で退任演説をし、リラックスしながらも引き続き影響力を誇示する姿勢を見せた。また、米トランプ大統領について「今の大統領になってからキューバと米国の関係は意図的にひっくり返され、攻撃的で脅すようなやり取りが蔓延している」と述べ、米国の貿易や移民政策を厳しく批判した。

両国は2014年にカストロ氏とオバマ前政権が国交回復で合意、キューバでは米国からの投資や観光客が増加していた。ただ、トランプ政権になってからはキューバ国営企業との商取引停止や米国人の渡航禁止を打ち出したほか、ハバナ駐在の米外交官らで謎の体調不良問題が起きたことから、関係が悪化していた。

ディアスカネル議長は、キューバの外交政策は妥協はしないものの、対等に向き合える相手であれば対話する用意はあると述べた。

米キューバ間の緊張緩和につながった極秘交渉についての共著があるウィリアム・レオグランデ氏はこの発言について「キューバ首脳は引き続き、米国との関係改善に重きを置いていることを示している。ただし、次の大統領登場を待つことになるかもしれないが」と評した。

米政府高官は、従来路線を継承するリーダーの下では、キューバ国民の自由拡大は期待できないと強調した。

ディアスカネル新議長の課題は、社会主義政策の維持と改革のバランスをどのように保ち、経済改善を求める若い世代を納得させていくかだ。

議長は、資本主義への転換はないと誓い、新体制の特徴は「経済と社会体制の近代化」だと強調したが、詳細については触れなかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ヘッジファンド、資産配分を北米から分散化 貿易紛争

ビジネス

マネタリーベース、1月は9.5%減 減少傾向が継続

ビジネス

テスラ欧州新車販売、1月は一部回復の兆し 25年は

ワールド

イラン指導部、米攻撃による反政府デモ再拡大を強く懸
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 2
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 3
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 4
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 5
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 6
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 9
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 10
    共和党の牙城が崩れた? テキサス州で民主党が数十…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中