最新記事

関税

トランプ、韓国を鉄鋼関税対象から無期限除外に 輸入枠設定で合意

2018年3月26日(月)16時47分

3月26日、韓国政府は、米政府が韓国を新たな鉄鋼関税の適用対象から除外する代わりに、韓国からの鉄鋼輸入を制限する枠を設置することで合意したと明らかにした。写真は昨年6月、ホワイトハウスで共同会見後に建物内へ戻るトランプ米大統領(右)と文在寅韓国大統領(左)(2018年 ロイター/JIM BOURG)

韓国政府は26日、米政府が韓国を新たな鉄鋼関税の適用対象から除外する代わりに、韓国からの鉄鋼輸入を制限する枠を設置することで合意したと明らかにした。両政府は米韓自由貿易協定(KORUS)の見直しでも合意した。

韓国政府によると、自由貿易協定(FTA)の見直しで、韓国側は米自動車メーカーの韓国市場へのアクセス拡大を認める方針。

今回の合意により、韓国は米国の同盟国としてトランプ政権の新たな鉄鋼関税を無期限に免除された最初の国となった。

トランプ政権は23日に発動した鉄鋼とアルミニウムに高関税を課す輸入制限措置で、メキシコ、カナダ、オーストラリア、欧州連合(EU)などを当面、適用除外としていた。

韓国政府によると、米国が認めた韓国の鉄鋼輸出枠は約268万トン。これは2015─17年の対米平均輸出量の70%に相当する量で、新たな関税の対象外となる。ただ、これを超える輸出は認められない。

韓国は米国への鉄鋼輸出が第3位で、中国製鉄鋼の最大の輸入国であるため、中国の過剰生産能力のはけ口になっているとの懸念もある。

26日のソウル株式市場では、関税免除への期待感から東部製鉄<016380.KS>など韓国鉄鋼メーカー株が急伸した。

米韓両政府は今回、FTAの見直しにより、韓国製ピックアップトラックに米国が課す関税の撤廃期限を従来の2021年から41年に延長することで合意。また、米自動車メーカーが米国の安全基準を満たした自動車をそのまま韓国で販売できる台数の拡大でも合意。現行の1社当たり年2万5000台から年5万台に引き上げる。

ただ、韓国政府によると、これまでにどの米メーカーの韓国への輸出台数も年2万5000台に達していない。

[ソウル 26日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 非婚化する世界
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月17日号(6月10日発売)は「非婚化する世界」特集。非婚化と少子化の波がアメリカやヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されずに「信頼できない人」を見抜く方法
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中