最新記事

暗殺

ロシア元スパイ暗殺未遂、プーチン自ら指示した可能性=英外相

2018年3月17日(土)11時19分

3月16日、英国のジョンソン外相は、今月初めに英南部で発生した軍用神経剤を用いたロシア元情報機関員の暗殺未遂事件について、ロシアのプーチン大統領(写真)自身が襲撃を決定した可能性が大きいとの見方を示した。写真は16日代表撮影(2018年 ロイター)

英国のジョンソン外相は16日、今月初めに英南部で発生した軍用神経剤を用いたロシア元情報機関員の暗殺未遂事件について、ロシアのプーチン大統領自身が襲撃を決定した可能性が大きいとの見方を示した。

同外相は、事件を受け英国でロシア嫌いが広がっているわけではないとし、「われわれの争点はプーチン大統領が支配するロシア大統領府で、第2次世界大戦以降初めてとなる英国、および欧州の路上での神経剤の使用はプーチン大統領自身が決定した公算が非常に大きいと考えている」と述べた。

ロシアのタス通信によると、ジョンソン外相の発言を受けロシア大統領府のペスコフ報道官は、 ロシア大統領が神経剤を用いた襲撃に関与していたとの非難は「衝撃的」で、「容認できない外交規範の逸脱だ」と述べた。

この事件はロシアと英国の二重スパイだったセルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリア氏(33)が今月4日に英南西部ソールズベリーで意識不明の重体で見つかったもの。英当局者は事件で使用された神経剤が1970─80年代に旧ソ連軍が開発した神経剤「ノビチョク」だったと特定した。

英政府はロシアに対し事件の説明を求めていたが、ロシアが回答しなかったため、23人のロシア外交官を国外追放する方針を14日に発表している。

英国では2006年にロシアの元スパイだったアレクサンドル・リトビネンコ氏が放射性物質「ポロニウム210」で殺害される事件が発生。この事件でも英国はロシア大統領府が殺害を承認した可能性があるとの見方を示している。

[ロンドン 16日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

JERA、米シェールガス資産買収交渉中 17億ドル

ワールド

ロシアとベラルーシ、戦術核の発射予行演習=ルカシェ

ビジネス

株式6・債券2・金2が最適資産運用戦略=モルガンS

ワールド

米FOMC開始、ミラン・クック両理事も出席
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがまさかの「お仕置き」!
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが.…
  • 8
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 9
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中