最新記事

ブレグジット

EU、英離脱協定の草案公表 北アイルランド管轄維持も

2018年3月1日(木)10時26分

2月28日、EU欧州委員会は、英国のEU離脱時の条件を定める離脱協定の草案を公表し、EU加盟国アイルランドと国境を接する英領北アイルランドの管轄権をおおむね維持する内容を盛り込んだ。写真は英国旗とEU旗。ロンドンで1月撮影(2018年 ロイター/Toby Melville)

欧州連合(EU)欧州委員会は28日、英国のEU離脱時の条件を定める離脱協定の草案を公表し、EU加盟国アイルランドと国境を接する英領北アイルランドの管轄権をおおむね維持する内容を盛り込んだ。また、交渉の時間がなくなってきていると警告した。

英国はちょうど13カ月後にEUを離脱する。EUのバルニエ首席交渉官は記者会見で「時間があまりない」と述べ、メイ英首相に交渉のペースを上げるように呼びかけた。離脱後の2年間の移行期間に英国がEUとの関係を変わりなく保つ取り決めも含めた離脱条件について、2019年3月までに議会で承認されるためには、今年秋までに合意する必要があるとした。

メイ氏は英議会でEUの草案について、こうした内容に合意する政府はないと反発。英国の結束を守るために頑張ると主張した。北アイルランドとアイルランドの国境での混乱を避けるために英国がEUの関税同盟に残るとする野党労働党の提案については、繰り返し同盟からの撤退を表明した。また、英国が厳格な北アイルランド国境の設置を避けたい意向を再度主張した。

北アイルランドの保守派地域政党、民主統一党(DUP)もまた、北アイルランドに「EUと共通の規制地域」を設置するとの草案の文言を批判した。昨年の英総選挙で過半数割れに追い込まれたメイ首相率いる与党保守党は、DUPと連携する閣外協力で合意している。

草案は、英国とEUがともに北アイルランドを監督するとした上で、紛争解決の最終的な権利は欧州司法裁判所にとどまるとした。

メイ首相は3月2日にEU離脱後のEUとの通商関係の方針を示す。メイ氏はEUと部分的に共通の規制を維持する意向を示すと見込まれている。バルニエ氏は「いいとこ取りは許されない」と述べ、こうした方針を受け入れない構えを示した。

[ブリュッセル 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=米当局がレートチェック、155.66

ビジネス

米国株式市場=ダウ下落・S&P横ばい、インテル業績

ワールド

米ロ・ウクライナ三者協議、初日終了 ドンバス領土問

ワールド

韓国首相、バンス米副大統領とワシントンで会談=報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な一部」ではないと指摘
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 5
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    コンビニで働く外国人は「超優秀」...他国と比べて優…
  • 8
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 9
    宇宙人の存在「開示」がもたらす金融黙示録──英中銀…
  • 10
    3年以内に日本からインドカレー店が消えるかも...日…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な一部」ではないと指摘
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 6
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 10
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中