最新記事

ゲーム

20時間ネトゲをやり続けた中国の男性、下半身が麻痺

2018年2月2日(金)14時43分
クリスティナ・ツァオ

下半身が動かなくなりネットカフェから運び出される男性 Pear Video/Screenshot

<担架で運び出されながら友人に「ゲームの続きを頼む」。中国では深刻なゲーム依存治療のための矯正プログラムも>

中国・浙江省嘉興のネットカフェで20時間休まずゲームを続けた男性が、腰からの下の感覚を失くして救急車で運ばれたと、地元のメディアが報じた。

中国の動画共有サイト「ペア(梨)・ビデオ」に投稿された動画を見ると、茶色のジャケットを着た男性が、友人と救急隊員の手を借りて担架にのせられている。

友人はこう話す。「彼は完全に感覚がなくなって、まったく動けなくなった。救急車を呼ぶしかなかった」

現地メディアによると、男性はトイレに立とうとして麻痺に気付いたという。土曜の夜に入店し、日曜の午後に病院に運び込まれるまで、同じゲームをプレイし続けた。

動画の中で男性は、担架の上から友人に「ゲームの続きを頼む」と言っている。

サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国のゲーマー人口は推定5億6500万人。

矯正キャンプや電気ショックも

中国は2008年、世界で初めてネット中毒を医学的な疾患と認めた国。数百万と言われる依存症患者を治療するため様々な方法が全国で試みられてきた。刑務所のような場所に隔離する矯正キャンプや電気ショック療法もある。

中国政府はゲーム業界の規制強化にも力を入れている。2017年7月には、中国共産党の機関紙・人民日報が、ネット大手・騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の人気ゲーム『王者栄耀』を「有害」と批判、若者の盗みや発作、飛び降り自殺の原因にもなっていると書いた。

ネット依存症は世界的にも「病気」として認知されつつある。今年1月5日には世界保健機関(WHO)が、オンラインゲームやテレビゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる症状を疾病として定義し、「国際疾病分類」に加える見通しだと発表した。

またフィンランドでは、ゲーム依存症を克服するための点鼻スプレーを開発している。スプレーには「快楽物質」と呼ばれるドーパミンをブロックする物質が含まれており、ゲームの快感そのものを減じる作戦だ。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G20首脳会議が開幕、米国抜きで首脳宣言採択 トラ

ワールド

アングル:富の世襲続くイタリア、低い相続税が「特権

ワールド

アングル:石炭依存の東南アジア、長期電力購入契約が

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中