最新記事

人種問題

H&M人種差別問題の過熱で幼いモデルが引っ越しに追い込まれた

2018年1月17日(水)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

問題になったパーカーのロゴ「ジャングルで一番クールな猿」(左) DocHicksTv-YouTube 

<スウェーデン在住のわずか5歳のモデルは、人種差別を経験したこともない。何が起こっているかもわからないのに身の危険を感じている>

アパレル大手のH&Mがオンラインショップに掲載した写真で年明け早々に炎上した問題は思いのほか深刻だ。H&Mが掲載していたのは、パーカーを着用した黒人の子供モデルの写真で、胸に施されたプリントのロゴが「人種差別だ」として問題になった。書かれていたのは「COOLEST MONKEY IN THE JUNGLE(ジャングルで一番クールな猿)」だ。

このことがSNSを中心にバッシングを受けると、1月8日にH&Mが謝罪を表明。写真の掲載を中止してからも怒りの声は収まらない。なかでも、昨年H&Mとのコラボ商品をリリースした歌手ザ・ウィークエンドが1月9日に自身のツイッターで「もう二度とH&Mと一緒に仕事をするつもりはない」と表明したことで状況は悪化。契約を解消する意向を表明している。H&Mの一部店舗には、人種差別を非難するグループが乗り込む騒動にまで発展している。

(ザ・ウィークエンドの投稿。「今朝起きたらこの写真を目にして、ショックを受けたし恥ずかしい気持ちになった。すごく腹を立てているし、二度とH&Mと一緒に仕事をするつもりはない」)

白人モデルには違うロゴ

また、件のパーカーと同じシリーズの商品には「SURVIVAL EXPERT(サバイバルの達人)」という文字がプリントされたものもあり、着ているのが白人の子供モデルだということも問題視された。

メトロ紙によると、ヒップホップ界の大物でアパレルブランド「Sean John(ショーンジョン)」のプロデューサーを務めるP.Diddyことショーン・コムズが、問題のパーカーを着ていた黒人モデルに対し自身のブランドの専属モデル契約を持ちかけたという。提示金額が推定で100万ドル(約1億1000万円)と噂されており、その破格の金額からも注目が集まっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

防衛費増額、国の要請に基づき準備と対応進める=三菱

ビジネス

中国万科、18日に再び債権者会合 社債償還延期拒否

ビジネス

中国11月鉱工業生産・小売売上高、1年超ぶり低い伸

ワールド

自国第一主義で米独連携を、MAGA派イベントでAf
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中