最新記事

アメリカ社会

ホワイトハウスは職員6割が一時帰休 米政府機関閉鎖で何が起きる?

2018年1月22日(月)13時05分

1月21日、米議会の与野党は連邦政府機関の一部閉鎖が2日目に入った21日も事態打開に向け協議を行った。写真はホワイトハウス。ワシントンで撮影(2018年 ロイター/Yuri Gripas)

米議会の与野党は連邦政府機関の一部閉鎖が2日目に入った21日も事態打開に向け協議を行った。上院はつなぎ予算案を東部時間22日正午に採決する見通し。

政府機関閉鎖に伴い、想定される影響の詳細の一部は以下の通り。

<軍事>

国防総省によると、アフガニスタンにおける軍事行動や、イラクとシリアにおける対イスラム過激派の作戦に影響はない。重要度の低い作戦に携わる文民職員は一時帰休となる。

<司法>

司法省では独自プランに基づき、約11万5000人の職員のうち約9万5000人が業務を続ける。 モラー特別検察官が進める「ロシアゲート」捜査も継続される。

合衆国裁判所事務局によると、最高裁を含む連邦裁判所は追加の予算措置なしで約3週間は通常通り業務を続けられるという。

<金融監督>

証券取引委員会(SEC)は引き続き業務を続け、一定日数は全職員が業務に当たると説明。独自のプランは「市場の完全性と投資家保護」に力点を置いていると付け加えた。

一方、商品先物取引委員会(CFTC)は職員の95%を直ちに一時帰休とする必要があると説明。ただ、金融市場の緊急時には職員を増やすことが可能とした。

<ホワイトハウス>

職員1715人のうち1000人超が一時帰休となる。当局者によると、トランプ大統領が出席する予定のダボス会議に必要なスタッフを含め、大統領は憲法上の職務を遂行する上で十分なサポートを受ける。

<税関連業務>

財務省が公表したプランでは、内国歳入庁(IRS)は職員の約43.5%に当たる3万5000人超が閉鎖期間中も業務を継続すると想定。確定申告が本格化する中、納税者への還付に遅れが発生するといった影響が見込まれる。

<空運>

航空旅客は大きな影響は感じないとみられる。国土安全保障省によると、運輸保安局(TSA)の職員5万8295人のうち5万3865人が閉鎖期間中も勤務に入れる態勢を取る。

連邦航空局(FAA)によると、航空管制に影響はない。

<融資>

一部の融資手続きが影響を受ける可能性がある。中小企業庁(SBA)はウェブサイトの更新が滞る可能性があるほか、融資手続きが進まない恐れがあると警告。また、予算措置が取られるまで問い合わせに対応できないとした。

住宅都市開発省傘下の政府住宅抵当金庫(ジニー・メイ)は21日、業務は継続するものの、人員は減ると説明。投資家への元利金支払いに問題はないとした。

<食品検査>

農務省の食品検査官は政府機関閉鎖中も業務を続ける。

<エネルギー>

エネルギー省は19日、予算割当額の大半が複数年にわたるものになっているとして、職員は政府機関閉鎖中も通常通り業務に当たると説明した。

[21日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、米軍駐留の可能性協議 ゼレンスキー氏「

ワールド

ロ、和平交渉で強硬姿勢示唆 「大統領公邸攻撃」でウ

ワールド

ウクライナ支援「有志連合」、1月初めに会合=ゼレン

ワールド

プーチン氏公邸攻撃巡るロの主張、裏付ける証拠なし=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中