最新記事

エルサレム

仏マクロン大統領、イスラエル首相に和平交渉打開の「意思表示」要請

2017年12月11日(月)10時37分

12月10日、フランスのマクロン大統領(写真右)は、イスラエルのネタニヤフ首相(左)とパリで会談し、パレスチナ自治政府との和平交渉のこう着状態の打開に向けた「意思表示」をするよう要請した。写真はパリで10日撮影(2017年 ロイター/Philippe Wojazer)

フランスのマクロン大統領は10日、イスラエルのネタニヤフ首相とパリで会談し、パレスチナ自治政府との和平交渉のこう着状態の打開に向けた「意思表示」をするよう要請した。

11日にパリで開かれる欧州連合(EU)外相会議では、エルサレムをイスラエルの首都と認めたトランプ米大統領の決定に対し、結束して反対する姿勢が示される見通し。

マクロン大統領はイスラエルに対するあらゆるテロ行為を非難する一方、トランプ大統領の決定は「平和への危険な脅威」だとして反対する考えをネタニヤフ首相に伝えた。

マクロン大統領は「現在の難局を打開するため、パレスチナ側に勇気ある意思表示をするようネタニヤフ首相に求めた」と述べ、イスラエルによる入植地建設の凍結が打開策になる可能性を示唆した。

大統領はまた、フランス政府はイスラエルとパレスチナの紛争は両政府間での解決が実行可能な唯一の選択肢と考えていると再確認した。

一方、ネタニヤフ首相はマクロン大統領に対し、エルサレムがイスラエルの首都であるという「現実」をパレスチナ自治政府が認識すれば、より早期の和平が可能になると述べた。

マクロン大統領は、中東和平交渉の行き詰まりがすぐに解消されるとは考えていないが、米国を和平の仲介役から外す前に、米国が来年初めに示す予定の和平案の内容を見極めることが重要だと発言。フランスが新たに仲介に取り組む可能性を排除した。

一方、ネタニヤフ首相は「多くのアラブ諸国がイスラエルを敵ではなく、必要不可欠な同盟国とみなしている」と発言。アラブ諸国との関係を深めることで、イランに対抗する方針を明らかにした。首相は、イランはイスラエルと戦う目的でシリアに軍事拠点を築いている状況を容認できないと述べた。

[パリ 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、国民向け演説で実績強調 支持率低迷の中

ワールド

ドイツ予算委、500億ユーロ超の防衛契約承認 過去

ビジネス

「空飛ぶタクシー」の米ジョビ―、生産能力倍増へ 

ビジネス

ドイツ経済、26年は国内主導の回復に転換へ=IMK
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中