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極右

オーストラリアに反移民旋風は吹き荒れるか 極右ワンネーション党首の賭け

2017年11月20日(月)17時36分


炭鉱とサトウキビ

ターボホースの修理が終わると、ハンソン氏のバスは再び走り出した。予定より3時間遅れだ。いくつかの町に立ち寄った後、夜に予定されている対話集会に出席するため400キロ以上離れたイベント会場に到着した。

ハンソン氏の対話集会の内容は、演説と、主に遊説中に地元の人から聞いた話について即興的に見解を述べることである。例えば、外国人が農地を買い占めたとか、移民が税金を払っていないという訴えや、危機的なエネルギー価格や先住民への政府補助金に関する不満、イスラム系労働者の入国禁止への支持、などである。

ハンソン氏の発言には遠慮がなく、都市部では過激とみなされて直ちに非難の声が上がる。だが、農村地帯で、干ばつやサイクロンによる洪水被害を受けることがあるクイーンズランド州では、同氏は主流派である。

「彼女はまさに、私たちの国を救おうとしてくれているただ一人の人物だ」と、人口3500人のサトウキビ栽培の町プロスパーパインで、20歳のジャック・ローチさんは話した。

各世論調査によると、ハンソン氏率いるワンネーションは、オーストラリアで3番目に人口の多い州であるクイーンズランド州議会選で、20%前後の票を獲得する可能性がある。そうなれば、1990年代以降の選挙において最大の成功を収めることになる。だからといって、93議席のうち、数議席以上を獲得できるかどうかは分からない。

遊説では、地方や産炭地、サトウキビ栽培地域以外でも、支持は非常に強いように見える。ハンソン氏の政策に激しく反対するのは、観光に依存する沿岸部が多い。

ハンソン氏の支持者にとって、同氏は率直に物を言う、保守連合や労働党といったオーストラリアの既存の政治体制を揺るがすことのできる政治家として映る。

「彼女は私たちのように話す」と語るのは、炭鉱町ボーウェンで大工として働く24歳のブロディ・トファンさん。ハンソン氏と自撮りするため近づいてきた。

「私たちのことを人種差別主義者と人は言うけれど、私たちはただ本当のことを言っているだけ」

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