最新記事

ロシア

中国人観光客、「爆買い」の次は革命ツーリズム

2017年9月19日(火)12時00分
エイミー・フェリスロットマン

レーニンの人生をたどる

ウリヤノフスクは数年前から中国人観光客の誘致に力を入れてきた。毛沢東の出身地である湖南省韶山との間に、来年にも直行便を就航させる計画だ。

ウリヤノフスクで生まれたレーニンは、ロシア西部のカザンの大学で学び、サンクトペテルブルクで革命を起こして、モスクワにソ連政府を築き、その地に眠っている。直行便が就航すれば、この4都市を回ってレーニンの足跡をたどる「赤い道(レッドルート)」ツアーを中国人観光客に売り込みやすくなる。

【参考記事】ロシアのドーピング疑惑を暴く、ネットフリックス配信ドキュメンタリー

「中国人にとってレーニンはある種の神聖な存在だ」と、ウリヤノフスク市観光局のユリア・ソコロモロファ局長は言う。「彼らはレーニンの母親の像に花を手向ける。ロシア人はそんなことはしない」

しかし、ソコロモロファも革命100周年には複雑な思いを抱いている。「ロシア人と革命の関わりは(中国人とは)違う。あの時代に得たものもあるし、失ったものもある。ただし、新たな革命が起こるのは最悪だ。内戦になりかねない。誰もそれは望んでいない」

近くの記念館の庭園では、巨大なレーニンの頭像が見下ろす噴水の周りを子供たちが跳びはねていた。

From Foreign Policy Magazine

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

[2017年9月19日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ドイツが300億ユーロの基金創設、競争力強化へ民間

ワールド

米当局、ブラウン大銃撃容疑者を特定 MIT教授殺害

ワールド

ウクライナ、GDP連動ワラント再編で合意 債務懸案

ワールド

ロシア、米のベネズエラ封鎖に懸念 「致命的な過ち犯
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中