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アメリカはウクライナで「航行の自由」作戦をやるべきだ

2017年9月1日(金)19時30分
ステファン・ブランク(米国外交政策評議会上級研究員)

別の方法でロシアに負担をかけるには、ロシアの敵対行動に対抗するためにウクライナが必要とし、実際に要求していた防衛用の武器を供与することだ。これはアメリカが1947年に掲げたロシア(旧ソ連)の脅威に対する「封じ込め政策」と一致するだけでなく、ロシアが国境を新たに引き直したりアメリカの意向を無視したりすれば、必ずロシアが犠牲を払うことになると、プーチンや彼の同胞に示す効果もある。

そうすればアメリカは、対話と紛争を同時進行するという、ロシアや中国の昔ながらの戦略と同じことができる。逆にロシアの意図的な挑発を放っておけば、ますます攻撃的な政策を招くことになる。

アメリカがウクライナに必要な支援を送っていないことは、ロシアの絶え間ない敵対行為を助長している。敵対行為の報いを受ければ受けるほど、プーチンは早く耐えられなくなる。

それこそ、アメリカの目的だ。

(翻訳:河原里香)

This article first appeared on the Atlantic Council site.
Stephen Blank is a senior fellow at the American Foreign Policy Council. 

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