最新記事

安保理

北朝鮮問題で安保理会合、米国「今こそ行動すべき」

2017年4月29日(土)07時17分

 4月28日、国連安保理は北朝鮮問題を巡り閣僚級会合を開催した。写真は議長を務めるティラーソン米国務長官。(2017年 ロイター/Stephanie Keith) 

国連安保理は28日、北朝鮮問題を巡り閣僚級会合を開催した。議長を務めたティラーソン米国務長官は、北朝鮮のミサイル・核開発を抑制しなければ「破滅的な結果」を招くと訴える一方、中国、ロシアは武力行使による問題解決には否定的な立場を示した。

トランプ政権は中国が影響力を行使し北朝鮮を抑制しているとして、最近の取り組みを評価する立場を示していたが、中国の王毅外相は「朝鮮半島における核問題の解決は中国の手だけにかかっている訳ではない」と主張。「今は対話再開を真剣に検討すべきときだ」と訴え、北朝鮮問題に対する米中の溝があらためて売り彫りとなった。米国は対話再開前に核開発の抑制を北朝鮮に求めており、行動よりまずは対話を優先させる中国と意見の相違がある。

ティラーソン長官は北朝鮮の決議違反に対し、対話で報いるべきではないと指摘。安保理が行動していれば核問題はここまで悪化していなかったとし、「世界で最も差し迫った安全保障問題に対し、今行動しなければ破滅的な結果を招く恐れがある」と述べた。

米国は北朝鮮の体制転換は求めず、対話を通じた解決を望むとしながらも、「ソウルや東京への核攻撃は現実の脅威であり、北朝鮮が米国本土を攻撃できる能力を備えるのも時間の問題」とした。その上で、北朝鮮が核やミサイルの開発を続けるなら、すべての選択肢を排除しないとの米政権の立場をあらためて主張した。

ロシアのガティロフ外務次官は、北朝鮮は米韓共同軍事演習や朝鮮半島沖への米国の空母打撃群派遣などにより脅かされていると感じていると指摘。武力行使は「絶対に許容できない」との立場を示した。

ロシアと中国は韓国への新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)配備についてもあらためて反対を表明した。

岸田文雄外相は、北朝鮮を国際社会の交渉の場に戻すには、挑発的行為には高い代償を伴うとの強いメッセージを送るべきだと述べた。

ティラーソン長官は閣僚級会合後に中国の王毅外相と個別に会談。「米中両国に共通する問題である朝鮮半島情勢への対応を巡り、中国が米国ともに建設的に取り組んでいることを歓迎する」と述べた。



[国連 28日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国の再生エネ株に投資家殺到、「石油ショック」で需

ワールド

アングル:イランの革命防衛隊、戦争に備えてレバノン

ビジネス

日経平均は反発、過度な中東懸念が緩和 残る不透明感

ワールド

韓国年金、ウォン安受け為替ヘッジ 17年ぶり安値で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」した──イスラエル首相
  • 4
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に…
  • 5
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 6
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 7
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 8
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 9
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 10
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中