最新記事

実用

ボケたくなければ、片づけは自分でしなさい

2017年4月28日(金)19時33分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

もうひとつ著者が強調しているのが、「自分で片づける」ことの大切さ。著者のセミナーを受講した人の多くも、このことを口にするという。

これは社会問題となっている実家の片づけにおいて、とくに重要になる点だ。高齢の親は、認知機能が低下して片づけられなくなっても、その環境に慣れてしまい、あまり不都合を感じないことが多いという。そこへ、いきなり子供がやって来て、勝手に片づけてしまうことがあるのだ。

片づけが得意な人(片づけないと気が済まないタイプの人)は、ついつい他人のものを片づけてしまうことがある。しかし著者によれば、たとえ家族であっても、それはNG。まして勝手にものを捨ててしまうなど、絶対にやってはいけないことだという。

「自分以外の人のものは、勝手に片づけない」、これが片づけの大原則だ。それは、自分で選ぶことが何よりも大切だから。自分で選ぶことで、ものではなく自分自身が片づけの「主人公」になれる。

本書には、著者のセミナーを受講して、自分で片づけられるようになった人たちのエピソードも多く収録されている。片づけられないという一見ささいな悩みが、いかに家族の仲や生活の質を左右していたか、また、精神面にも大きな影響を与えていたかに驚かされる。

片づけられるようになったことで、家だけでなく性格も変わり、家族のコミュニケーションが変わり、時には人生の転換点になったという例もあった。それほどまでに、片づけの悩みは深い。

「たかが片づけ」と侮ることなかれ。

【参考記事】東大生に育てたいなら、子供を「他人」と思いなさい


『ボケない片づけ 一生自分で片づけられる5つのステップ』
 高橋和子 著
 CCCメディアハウス

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA

ビジネス

根強いインフレ、金融安定への主要リスク=FRB半期

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス

ビジネス

米国株式市場=S&Pとナスダック下落、ネットフリッ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中