最新記事

アメリカ政治

トランプ、製薬首脳に薬価下げ・国内増産要請 通貨安で日中批判

2017年2月1日(水)08時10分

1月31日、トランプ米大統領は、大手製薬会社の首脳と会談し、国内生産を拡大させると同時に薬価を引き下げるよう要請した。また、日本や中国を名指しして通貨安を誘導していると指摘した。写真はホワイトハウスで同日撮影(2017年 ロイター/Yuri Gripas)

 トランプ米大統領は31日、大手製薬会社の首脳と会談し、国内生産を拡大させると同時に薬価を引き下げるよう要請した。また、日本や中国を名指しして通貨安を誘導していると指摘した。

 トランプ大統領と会談したのはノバルティス、メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、セルジーン、イーライ・リリー、アムジェンの最高経営責任者(CEO)のほか、製薬業界のロビー団体、米国研究製薬工業協会(PhRMA)の会長。

 トランプ大統領は、薬価は桁外れに高いとの認識を表明。「メディケア(高齢者向け公的医療保険)やメディケイド(低所得者向け公的医療保険)など、価格を引き下げる多くの理由があり、他に選択肢はない」とした。米国では、メディケアとメディケイドが医薬品の最大の買い手となっている。

 またトランプ大統領は、他国の通貨切り下げを受けて、製薬会社による生産の外部委託が加速したと指摘。他の国が「マネー、マネーサプライ、通貨切り下げによってわれわれ(米国)より有利な立場に立っている」と述べ、中国がやっていること、日本がやってきたことについて、通貨安を誘導していると指摘した。

「われわれは世界的なただ乗りを止めさせる」とし、他国も医薬品開発で応分の費用を負担すべきとの考えを示した。

 大統領は、新薬承認にかかる時間の短縮化も確約、米食品医薬品局(FDA)の新トップを早期に任命する考えを示した。

 同会合の一部はテレビ放映。それによると、アムジェンは年内に米国で1600人を追加的に雇用すると確約した。同社はその後、電子メールで現在は全世界で約2万人を雇用しており、このうち1万2000人が米国内での雇用となっていると説明。表明した1600人の追加雇用は新規採用のほか、削減分の補充も含むとした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ドイツ銀行、第3四半期の債券・為替事業はコンセンサ

ワールド

ベトナム、重要インフラ投資に警察の承認義務化へ

ワールド

台湾、過去最大の防衛展示会 米企業も多数参加

ワールド

アングル:日米為替声明、「高市トレード」で思惑 円
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中