最新記事

ギャンブル

カジノ法成立にらみ海外運営会社が日本へ 依存症対策も主導

2017年1月28日(土)11時36分

1月27日、統合型リゾート推進法の成立を受け、海外のカジノ運営会社が続々と日本を訪れている。2013年に都内で行われた、国際観光シンポジウムで撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

 統合型リゾート(IR)推進法の成立を受け、海外のカジノ運営会社が続々と日本を訪れている。誘致に前向きな自治体や企業との関係強化を図り、申請に向けた準備を進めておくためだ。

 カジノ解禁のカギを握る依存症対策についても当局への説明を強化している。

世界第2の市場へ、強い意気込み

 複数の関係者は、海外のカジノ運営会社の幹部が年明け以降、「新年のあいさつも兼ねて次々と日本に来ている」と明かす。訪問先は札幌市、大阪市、長崎県佐世保市など。

 米ハード・ロック・カフェ・インターナショナル、米ボイド・ゲーミングなど、カジノやホテルの運営でノウハウのある企業がこれらの自治体や企業を訪問し、ネットワーキングを広げている。

 シンガポールが10年以上前にカジノを解禁した際、ライセンスの認可を受けたのはマレーシアのゲンティン、米ラスベガス・サンズの2社だけだった。運営会社の多くは、ラスベガスに次ぐ世界第2の市場となる可能性がある日本のカジノに、「この大きなビジネスチャンスを落とすわけには行かない」と意気込んでいる。

 米MGMリゾーツも日本に熱い視線を注ぐ1社。同社はスタッフを増員し、日本に投じるリソース(経営資源)を拡大する予定だ。

依存症対策もリード

 推進法の成立をふまえ、今年12月までに別の法案(IR実施法案)が国会に提出されることになる。カジノ導入の際、最も懸念される問題でもあるギャンブル依存症対策に焦点をあてた法案も検討される可能性がある。

 海外のカジノ運営会社も、ギャンブル依存症対策の重要性を口をそろえて指摘する。ある海外運営会社の幹部は厚生労働省に出向き、運営会社が拠点とする国での依存症対策の説明を重ねているほか、同省の幹部に現地の対策センターの見学を働きかけるなど、積極的な動きを見せる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、金利の選択肢をオープンに=仏中銀総裁

ワールド

ロシア、東部2都市でウクライナ軍包囲と主張 降伏呼

ビジネス

「ウゴービ」のノボノルディスク、通期予想を再び下方

ビジネス

英サービスPMI、10月改定値は52.3 インフレ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中