最新記事

デジタルマネー

中央銀行副総裁が明かす、中国の独自仮想通貨計画のシナリオ 

2016年9月28日(水)16時50分
コインポータル

"デジタルマネー"と"仮想通貨技術を利用したマネー"の併用を想定

 また今想定するデジタル通貨の技術的な定義について、いわゆる既存のモバイルマネーなどに使われる "デジタルマネー"ではなく、現在仮想通貨として流通しているような暗号技術を利用した貨幣の方がさまざまな先進技術に対応できる魅力があるとしながらも、こうした(仮想通貨のような)技術は新興技術であるため研究時間が必要で、運用を維持するための難易度が高いことを不安視する。

【参考記事】ビットコイン2年ぶり高値、人民元安懸念で中国勢が爆買い

 上述の既に存在している"デジタルマネー"の技術は改ざんを防ぐ能力の低さや、マネーロンダリング防止の能力が低く不安点もあるが、技術的にはシンプルで管理しやすいため、この2つの方法を需要が異なる場面ごとに使い分けることで対応することを現在考えているとする。

金融体系への影響は

 "法定デジタル通貨"が経済社会の各方面に与える影響として、範氏は「実物の貨幣の需要が減る可能性や金融資産の相互転換の加速、貨幣流通の可測度の向上、データ分析の信ぴょう性の向上、マネーロンダリング防止や顧客確認(KYC)の向上」などを挙げる。

 中国政府では今年7月に「ブロックチェーン技術と応用発展の研究」のために乐视金融、万向控股、微众银行、平安保险など中国の大手企業と共同して研究を進めることを発表している。今後、中国の独自デジタル通貨はどちらの方向に舵を取るのか。さらなる情報が待たれる。

参照:区块链铅笔

※当記事は「コインポータル」からの転載記事です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 8
    三船敏郎から岡田准一へ――「デスゲーム」にまで宿る…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中