最新記事

中国

オバマ到着時にトラブル 中国職員が大統領補佐官に「ここはわれわれの国」と怒声

2016年9月5日(月)13時30分

9月4日、G20首脳会議に出席するオバマ米大統領(中央)が、厳重警備態勢が敷かれる中国東部・杭州の空港に3日到着した際に、中国職員が米大統領補佐官と口論になる騒動が起きた。浙江省同市にある空港で3日撮影(2015年 ロイター/Damir Sagolj)

 20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するオバマ米大統領が3日、厳重警備態勢が敷かれる中国東部・杭州の空港に到着した際に、中国職員が米大統領補佐官と口論になる騒動が起きた。

 オバマ米大統領が乗った大統領専用機「エアフォース・ワン」が同市の空港に到着してまもなく、ライス米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が記者団をさえぎるロープを越えて大統領一行の車列に向かうのを、中国職員が怒り声を上げ、阻止しようとした。

 ライス補佐官は、中国側のこの職員に対し何か言い返したようだったが、大統領機の翼の下にいる記者団には聞き取れなかった。この職員が、ライス氏が高官であり、記者ではないことを知っていたかどうかは分からない。大統領護衛官が2人の間に割って入った。

 同職員はまた、記者団に立ち位置を指示するホワイトハウス職員に対しても、「ここはわれわれの国だ。われわれの空港だ」と英語で怒声を浴びせた。

 ホワイトハウス職員は、記者団がロープの後ろに立ち、大統領到着時の交流を記録することは、大統領に随行する米記者団にとっては慣例だと主張した。

 このような異例の口論は、大使らとあいさつを交わすオバマ大統領の見えないところで起きていた。

 オバマ大統領は4日、記者会見で、この口論について大騒ぎすべきでないとコメントした。

 この出来事は、イメージを重視する中国共産党が、メディアをコントロールして、G20をそつなく開催しようとする努力を物語る一例だと言える。

 中国では、外国の記者が敏感な話題の取材を阻止されることはよくあるが、他国の政府高官が関わる口論は異例な事態と言える。

[ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    メーガン妃の「下品なダンス」炎上で「王室イメージ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中