最新記事

テクノロジー

「次のインターネット」、噂のブロックチェーンって何?

2016年6月20日(月)16時00分
ケビン・メイニー

 個人間の国際送金の方法を変える可能性があるのはアブラ社だ。配車サービスのウーバーのように、仮想の銀行窓口として登録した人とユーザーの間で直接取引を行う。

 フィリピンにいる母親へアメリカから送金したいユーザーなら、まず専用アプリで最寄りの「窓口係」を見つけ、その人物に直接会って現金や小切手を渡す。窓口係は同じ金額をアブラのブロックチェーン・システムに入金する。フィリピンにいる母親も同じように現地の窓口係を探して会い、現地通貨でお金を受け取る。窓口係の信用を担保できる限り、銀行を通すよりも手数料は少なくて済むし、時間もかからない。

<参考記事>【セックスロボット】数年以内に「初体験の相手」となるリスク、英科学者が警鐘

SNSも様変わりする

 今後もさらに多くの使い方が生まれる見通しだ。ウーバーのブロックチェーン版が登場すれば、運転手は自分で利用者とやりとりし、料金を自動的に回収できる。仲介者を省くことで高い手数料も払わずに済む。これが実現すれば、ウーバーに登録する運転手はいなくなるだろう。

 フェイスブックのビジネスモデルも揺らぐだろう、とタプスコットは言う。フェイスブックという企業の価値は、利用者が無料で提供している膨大な個人情報の質と量で決まる。だがブロックチェーン技術を使えば、ソーシャル・ネットワークに参加しながらも個人情報をすべてデジタル金庫に保管しておくことが可能になる。

 その場合、フェイスブックが私たちのデータを入手したければ、私たちから買わなければならなくなる。広告収入に依存するフェイスブックにとって、これは大きな痛手だろう。

 ブロックチェーンで世の中がどう変わるかを、現時点で予想するのは難しい。今はまだ相当なコンピューターの知識がないと使いこなせないが、それも遠からず変わるだろう。TCP/IPやHTMLの知識がなくてもインターネットを使えるのと同じことだ。いずれはブロックチェーンを使ったさまざまなアプリが登場し、私たちが気軽に使えるようになる。

 そしてたぶん、今どこかで遊んでいる9歳児の中から、ブロックチェーンの新たな可能性に気付く「次代のザッカーバーグ」が生まれることだろう。

[2016年6月14日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国1月製造業PMIが50割れ、非製造業は22年1

ワールド

米政府機関の一部が短期間閉鎖へ、予算案の下院採決持

ワールド

トランプ氏、労働統計局長にベテランエコノミスト指名

ワールド

焦点:トランプ政権、気候変動の「人為的要因」削除 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 2
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 6
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 7
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 8
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中