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米政府、中国製耐食鋼への反ダンピング・相殺関税を最終決定

一部の中国大手鉄鋼メーカーに最高の241%の関税を適用

2016年5月26日(木)19時54分

5月26日、米商務省は、供給過剰に陥っている鉄鋼の輸入を抑制する一環で、中国、台湾、韓国、インド、イタリアの5カ国から輸入する耐食平鋼に課す反ダンピング関税の最終税率を発表した。写真は新疆ウイグル自治区の鉄工場で働く従業員。2013年3月に撮影(2016年 ロイター/U.S.Navy)

 米商務省は25日、供給過剰に陥っている鉄鋼の輸入を抑制する一環で、中国、台湾、韓国、インド、イタリアの5カ国から輸入する耐食平鋼に課す反ダンピング関税の最終税率を発表した。

 このうち、台湾を除く4カ国から輸入する耐食平鋼については補助金相殺関税を課すとした。

 中国に課す反ダンピング関税の最終税率は210%で、中国で製造されたすべての耐食平鋼が対象になる。今回の最終税率は昨年12月に仮決定された税率256%に代わるもの。

 補助金相殺関税の最終税率は39─241%。大半の鉄鋼メーカーには39%の税率が適用されるが、宝山鋼鉄(バオスチール)<600019.SS>や河北鋼鉄集団<000709.SZ>など一部大手メーカーには最高の241%が適用される。

 中国商務省は今回の発表を受け、米国の「不合理な」措置に非常に不満があるとし、このことは二国間の協力関係を損うと指摘。「中国政府は公正な待遇を受けるため、企業の権利を保護するために必要なあらゆる措置を講じる」とした。

 米商務省は先週、中国から輸入する冷延鋼板に500%を超える反ダンピング関税を最終決定したばかり。

 中国は、国内鉄鋼業界の余剰生産能力の削減を避けるため、海外で鉄鋼を不当廉売しているとの批判にさらされている。

 このほか、米政府がインドの鉄鋼メーカーに課す反ダンピング関税は3─4.4%。相殺関税は8─29.5%。

 イタリアの鉄鋼メーカー、マルセガグリアに対する反ダンピング関税は92.1%、その他のイタリアメーカーには12.63%が課される。相殺関税は0.5─38.5%。

[ワシントン 25日 ロイター]


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