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【2016米大統領選】最新現地リポート

突如飛び出した共和党「反トランプ連合」の成算は?

2016年4月28日(木)17時20分
冷泉彰彦(在米ジャーナリスト)

 さらに、合衆国大統領を目指して選挙戦を戦ってきた候補者として、「自分に入れるなとは言えない」というのは絶対に譲れないのだろう。また「ヒラリーを降ろすのが目的」と言い切った発言には、一対一の対決ならヒラリーに勝てるという強烈な自負が見え隠れしている。

 最新の世論調査の平均値で、「ケーシック対ヒラリー」という組み合わせになった場合「48%対40%」でケーシックが圧勝するという数字が出ている(RealClearPolitics調べ)のは事実だ。

 一方でクルーズは、予備選を撤退した元候補のカーリー・フィオリーナ(HP元会長)を、事実上の「ランニングメイト」、つまり自分が大統領候補となった場合の副大統領候補に指名して、こちらもヤル気満々だ。

 数字だけを見れば、現時点でのトランプの優位は圧倒的だ。だがこうした数字の裏で、「2位・3位連合」が奏功して「党大会での自由投票」へ持ち込まれる可能性はまだかなり残っていると見なければならない。


≪筆者・冷泉彰彦氏の連載コラム「プリンストン発 日本/アメリカ 新時代」≫

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