最新記事

国連

潘基文の舌禍でこじれる西サハラ問題

2016年4月21日(木)16時30分
コナー・ギャフィー

「MINURSOが強制的に退去させられるか、国連安保理の定めた任務の遂行が不可能になったと判断した場合、停戦が破られ、敵意が再燃し、ひいては全面戦争にエスカレートするリスクが著しく高まる」──内部関係者が19日にロイターに見せた報告書で潘はそう警告し、安保理に任期延長を認めるよう要請している。この地域から国連が撤収すれば、力の空白に乗じて「テロリストや過激な分子」が台頭するおそれがあるとも、潘は指摘している。

アルジェリアには先住民の難民が9万人

 潘は「占領」発言を撤回はしていないが、「とっさに」出た言葉で「誤解」を招いたことを遺憾に思っていると、国連報道官が釈明した。国連によれば、潘が視察したアルジェリア西部の砂漠の都市ティンドゥフ近郊の難民キャンプには西サハラから逃れてきた住民約9万人が暮らしている(アルジェリア政府は16万5000人と発表)。

 モロッコ政府は態度を硬化させたままで、潘の発言はポリサリオ戦線側に肩入れした「意図的」な発言だと抗議している。

 西サハラはモロッコ、アルジェリア、モーリタニアに囲まれた26万6000平方キロ、アメリカのコロラド州ぐらいの広大な土地で、先住民の人口は約57万人。沖合には未開発の油田があると見られている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

オープンAIが1100億ドル調達、アマゾンやソフト

ビジネス

独CPI、2月は2.0%上昇に鈍化 エネ価格下落で

ワールド

クリントン元米大統領、エプスタイン氏の犯罪「全く知

ワールド

海運大手マースク、スエズ運河から迂回 紅海周辺情勢
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力空母保有国へ
  • 2
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 3
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石が発見される...ほかの恐竜にない「特徴」とは
  • 4
    ウクライナが国産ミサイル「フラミンゴ」でロシア軍…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    がん治療の限界を突破する「細菌兵器」は、がんを「…
  • 7
    トランプがイランを攻撃する日
  • 8
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 9
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 10
    習近平による軍部粛清は「自傷行為」...最高幹部解任…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 3
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 6
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 7
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 8
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 9
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 10
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中