最新記事

中国

G20の反汚職タスクフォース、中国企業の不参加で解散に

中国側は反汚職会議を1回開くだけで十分な代替措置になると主張

2016年4月20日(水)19時51分

4月20日、中国が今年20カ国・地域(G20)の議長国になって以来、反汚職活動などを推進する「B20(ビジネス20)」が活動を停止していたことが、関係筋6人の話で分かった。写真は北京で昨年10月撮影(2016年 ロイター/Jason Lee)

  中国が今年20カ国・地域(G20)の議長国になって以来、反汚職活動などを推進する「B20(ビジネス20)」が活動を停止していたことが、関係筋6人の話で分かった。

 B20はG20のグローバル企業の幹部や民間団体らで作る組織で、さまざまなタスクフォースを運営しており、慣習的にG20議長国の企業が主導。オフショア市場の金融構造の透明性を高める方策も策定していた。

 ところが、関係筋によると、中国企業が参加を拒否したため1月後半に解散されたという。

「パナマ文書」の流出以来、中国にはペーパーカンパニーの情報共有を求める圧力が強まっていた。

 今年のB20の責任者である国営の中国国際貿易促進委員会(CCPIT)は、B20の活動中止についての質問に回答していない。ただ、欧米機関を代表する関係筋3人によると、CCPITは中国企業に対しタスクフォースの運営を指示しなかったもよう。世界のビジネス業界や国際非政府組織(NGO)から強い要請があるにもかかわらず、CCPITは、今月後半に1回だけの反汚職会議を開くことで十分な代替措置になると主張しているという。

 ある関係筋は「中国企業が1社も名乗り出ようとしないというのは残念だ」と述べ、「反汚職はわれわれがモメンタムを形成してきた重大な課題であり、今回の決定で計画が狂った」と話した。

   

[香港 20日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米国勢、ロンドン不動産投資が8年ぶり高水準 ドル高

ワールド

アングル:民間機に重大な影響及ぼすGPS妨害、世界

ワールド

台湾、次期総統就任後の中国軍事演習を警戒 治安当局

ワールド

中国、大気汚染改善目標が半数の都市で未達 経済優先
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 7

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 8

    なぜ女性の「ボディヘア」はいまだタブーなのか?...…

  • 9

    衆院3補選の結果が示す日本のデモクラシーの危機

  • 10

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中