最新記事

中国

1年間パンダと暮らすお仕事!?

中国のパンダセンターが飼育員募集で啓蒙活動に乗り出した

2014年5月21日(水)16時21分
エミリー・ロディッシュ

パンダと生活を 募集に通れば1年間ずっとパンダと暮らすことができる China Daily-Reuters

 四川省雅安市の中国パンダ保護研究センターでは現在、1年間有給でパンダの世話をしたい飼育員を募集している。応募期間は5月8日〜7月15日まで。

「パンダ世話人」と呼ばれるこの仕事は、部屋代と食事代だけでなく、SUV(スポーツ多目的車)も支給され、3万2000ドルの給料ももらえる。何より1年にわたりパンダと触れ合えることが出来るのは貴重、という人向けだろう。

 パンダの餌の作り方を学んだり、長く生きてきた年配パンダが快適に暮らせるように優しく世話する術も学べる。「この仕事の使命は1つ。365日パンダと一緒に過ごし、彼らの喜びや悲しみを共有することだ」と、センターの関係者は語っている。

 ただいくつかの条件がある。応募できるのは22歳以上で、パンダについてのある程度の基礎知識も必要だ。

 この試みを共同で主催している米自動車大手メーカー、フォード・モーターの中国事業のマーケットマネージャー、イエ・ミンシンは、「パンダ世話人」は楽しいことばかりではないと語る。

「応募者は主に大都市のホワイトカラー層だろうと予想している」と、イエは言う。「そうした人たちは何でも食べたいものを食べられる環境に慣れているが、パンダセンター内ではそうはいかない」

 それでもパンダがいる。この試みには、パンダの苦境について啓蒙しようという目的がある。現在、野生のパンダはたったの1600頭しかおらず、保護の取り組みはあまり効果を上げていない。だからこそこの試みは重要なのだ。

 応募先はこちら。

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ウクライナ軍撤退なければ、ドンバス地方を武力で完全

ビジネス

アングル:長期金利2.0%が視野、ターミナルレート

ワールド

中国、レアアース輸出ライセンス合理化に取り組んでい

ワールド

ADBと世銀、新協調融資モデルで太平洋諸島プロジェ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中