最新記事

ロシア

五輪開幕前にソチが野良犬を大量処分

オリンピックの厄介者として、来年までに2000匹以上が処分されるとの報道も

2014年2月4日(火)17時30分
サラ・ウォルフ

生きたゴミ? 野良犬は選手にとって危険な存在だという(1月30日) Kai Pfaffenbach-Reuters

 冬季オリンピック開催を前に、ロシアのソチ市が野良犬の一掃に乗り出した。昨年市当局が同じような計画を立てたとき、動物愛護団体の激しい抗議を受けて撤回したにも関わらず、だ。

 駆除を担当するバシア・サービスの経営者アレクセイ・ソローキンは米ABCニュースの取材に対し、同社がこれまで何匹を殺したかは分からないし、ソチ市にいつ雇われたかは言えないと答えている。

 ソローキンによれば、野良犬はオリンピックにとって危険な存在だ。「競技中、時速130キロで飛んでいるスキージャンプの選手が着陸したところに、犬が鉢合わせしたらどうなるか考えてほしい。選手と犬の双方にとって致命的だ」

 「本当のところを言おうじゃないか」と、ソローキンは付け加える。「野良犬たちはしょせん、生きたゴミだ」

 来年までに2000匹以上の野良猫、野良犬が処分される予定だという報道もあった。ソチ市の議員であるセルゲイ・クリボノソフは、犬たちを保護施設に入れるのは時間が掛かり過ぎるだろうと主張する。

 ABCニュースは市長側にコメントを求めたが、回答はなかった。

 これはソチだけの問題ではない。モスクワをはじめロシア国内の多くの都市で、野良犬が通りを徘徊している。飼い主に経済的余裕がなくなり、飼っている犬の遺棄が何十年も積み重なった結果だ。

(GlobalPost.com特約)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドイツ銀、第3四半期は黒字回復 訴訟引当金戻し入れ

ビジネス

JDI、中国安徽省の工場立ち上げで最終契約に至らず

ビジネス

ボルボ・カーズの第3四半期、利益予想上回る 通年見

ビジネス

午後3時のドルは152円前半、「トランプトレード」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:米大統領選 イスラエルリスク
特集:米大統領選 イスラエルリスク
2024年10月29日号(10/22発売)

イスラエル支持でカマラ・ハリスが失う「イスラム教徒票」が大統領選の勝負を分ける

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 2
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」ものはどれ?
  • 3
    リアリストが日本被団協のノーベル平和賞受賞に思うこと
  • 4
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 5
    トルコの古代遺跡に「ペルセウス座流星群」が降り注ぐ
  • 6
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 7
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 8
    中国経済が失速しても世界経済の底は抜けない
  • 9
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 10
    「ハリスがバイデンにクーデター」「ライオンのトレ…
  • 1
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 2
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 3
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 4
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 5
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 6
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 7
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 8
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 9
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 10
    北朝鮮を訪問したプーチン、金正恩の隣で「ものすご…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 9
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 10
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中