最新記事

スキャンダル

お下劣トロント市長、議会を大暴走

コカイン使用にセクハラ発言、議場での乱闘騒ぎ……スキャンダルまみれの市長に議会がついに「クーデター」を起こしたが

2013年11月19日(火)16時56分
サマンサ・スタインバーン

カナダの恥 首相を目指すと開き直るフォード市長 Aaron Harris-Reuters

 カナダ・トロントのロブ・フォード市長が、「確かに私はクラック・コカイン(喫煙タイプのコカイン)を吸った」と発言し、長らく否定してきた薬物使用疑惑を認めたのは11月初めのこと。市民に謝罪はしたものの、辞任については断固拒否するフォードに、さらなるスキャンダルの嵐が襲いかかっている。

 薬物使用を認めた後、違法ドラッグの購入やアルコールの過剰摂取、飲酒運転などの疑惑が次々に浮上。さらに「市長から性的な誘いを受けた」と訴える女性職員まで登場した。そのうえ、セクハラに反論する記者会見がテレビで生中継された際に、卑猥な発言でひんしゅくを買う始末。「私が『彼女のあそこを食べたい』と言ったそうだが、そんなことを言ったことは一度もない。私は幸せな結婚生活を送っており、家には食べるもの(妻のこと)が十分ある」

 あまりの下劣さに市民からの辞任要求が高まるなか、トロント市議会は先週、市長に休職を求め、議長の任命権や非常事態における権限を剥奪する決議を採択した。さらに11月18日には、市長の権限の大半を副市長に移管する議案を、37対5の大差で可決した。

 もっとも、フォードがおとなしく引き下がる様子はない。彼は報道陣に向かって「これはクーデターだ」と発言。18日の採決に先だって行われた討論でも、市議会に向かって怒りをぶちまけた。「サダム(・フセイン)がクウェートに侵攻するのを、兄と一緒にテレビを見ていたときのことを思いだす」と、フォードは息巻いた。「お前たちのしていることも、クウェート侵攻みたいなものだ」
 
 さらにフォードは市議会の議場内でいきなり駆け出し、女性市議のパム・マコネルを押し倒した(映像を見る限り、他の人物に向かって行ったように見えるが)。

YouTube

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中