最新記事

パキスタン

米無人機がタリバン幹部殺害?巻き添えも

無人機使用を抑制すると言ったばかりのオバマがパキスタン・タリバンを攻撃

2013年5月30日(木)18時00分
プリヤンカ・ボガーニ

お尋ね者 アフガニスタンとの国境地帯で武装するラフマン Saud Mehsud-Reuters

 イスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TPP)」ナンバー2のワリウル・ラフマンが水曜日に部族地帯で死亡したと報じられた。

 当局はCNNにこれを認め、アルジャジーラもパキスタンの治安当局の話として伝えた。

 アメリカの無人機攻撃により北ワジリスタンでラフマンの他に3人が殺害され、もう4人が負傷したとパキスタンの治安当局は言う。

 パキスタンのタリバンの報道官はラフマンの死亡について肯定も否定もしていない。

 しかし、CNNは、「ラフマンとともに側近のファカル・ウル・イスラム、2人のウズベク人も死亡した」と報じた。

 ラフマンはTTPの指導者ハキムラ・メフスードに次ぐ地位。死亡が確認されれば、その死はイスラム法施行をめぐり軍人・民間人に何千ものの死者を出してきた内乱に大きな打撃を与えることになる。

 しかしワシントン・ポスト紙によると、これまでもメフスードをはじめ無人機攻撃で死亡したとされる過激派の生存がその後確認されるなど誤報も起きてきた。

 水曜日の無人機攻撃では他にも3人の子供も負傷したと報じられている。

 この攻撃は民主政権間での初の権力移行となる記念すべき選挙の直後に起きた。ナワズ・シャリフ元首相率いるパキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML-N)が5月11日の選挙で勝利して以来初めてのパキスタンでの無人機攻撃だ。

 6月から政権を担うシャリフは無人機攻撃をパキスタンの主権への「挑戦」と呼んでいる。

 アメリカのバラク・オバマ大統領は先週の演説で無人機攻撃を取り上げ、アメリカは「迫りくる危機」となる標的に対し無人機の使用を制限すると表明した。

GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送-TOPIX採用企業は今期6.6%減益予想、先

ワールド

焦点:シリア暫定大統領、反体制派から文民政府への脱

ワールド

台湾輸出、10月はAI好調で約16年ぶり大幅増 対

ワールド

韓国当局者、原潜は国内で建造 燃料を米国から調達の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 6
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 8
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中