最新記事

企業

【動画】宇宙港完成で宇宙の旅が目前に

来年には20万ドルで宇宙旅行が実現? ヴァージングループの宇宙港完成にブランソン会長も大はしゃぎ

2011年10月19日(水)16時12分

長年の夢 09年12月に宇宙船スペースシップ2の発表記者会見を行ったブランソン Phil McCarten-Reuters

 世界初の宇宙船空港「スペースポート・アメリカ」が米ニューメキシコ州に完成した。建造したのは、英ヴァージングループの宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティック。17日に行われた落成式には、グループのリチャード・ブランソン会長も出席し、宇宙船のデモ飛行も披露された。

 AP通信は式典の模様を次のように伝えている。


 商業宇宙旅行のための世界初の宇宙港が披露されるなか、イギリスの大富豪リチャード・ブランソンはいつものように派手なパフォーマンスで登場。宇宙港の屋根から命綱でぶら下がりながら現れ、シャンパンボトルを振ってがぶ飲みしていた。


 滑走路だけでなくターミナルや格納施設も完備したスペースポート・アメリカには、「スペースシップ2」や「ホワイトナイト2」といったヴァージンの宇宙船が保管される。さらに宇宙管制塔や宇宙旅行者のための「準備施設」も備えている。

 AP通信によれば、ホワイトナイト2での2時間半の準軌道飛行(地上から宇宙に到達して戻ってくる飛行で、地球周回はしない)の費用は20万ドル。「5分間の無重力状態と、これまで宇宙飛行士しか見られなかった地球の姿を眺める」ことができる。既に約455人がチケットを購入しており、彼らの一部も式典に参加してホワイトナイト2の遊覧飛行を見物した。

 式典にはニューメキシコ州知事スザンナ・マルティネスも出席した。スペースポート・アメリカの建設費用2億900万ドルは同州の税金でまかなわれている。
 
 ヴァージン・ギャラクティックは先週、新型民間宇宙船スペースシップ2を研究用としてNASA(米航空宇宙局)に貸し出すことで合意した。NASAの技術者や科学者らは、450万ドルの賃料を払って最大3回の飛行をする予定だ。スペースシップ2は8人乗りで、母機と共に発射し、上空で分離する空中発射型の宇宙船だ。

 ギャラクティックによれば、実際の試験飛行は来年に入って開始される予定。乗客を乗せての運航開始は連邦航空局(FAA)の認可を受けてからになる。

GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

関税交渉で来週早々に訪米、きょうは協議してない=赤

ワールド

アングル:アルゼンチン最高裁の地下にナチス資料、よ

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人口学者...経済への影響は「制裁よりも深刻」
  • 4
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウ…
  • 5
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 6
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 7
    約558億円で「過去の自分」を取り戻す...テイラー・…
  • 8
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    父の急死後、「日本最年少」の上場企業社長に...サン…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 8
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 9
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 10
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中