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ツイッターが変える日中の未来(1)

たった140字のリアルタイムな「つぶやき」が社会を変える! 日中両国でツイートの達人として活躍する津田大介氏と安替(アンティ)氏が語るツイッターと世界の未来

2010年11月2日(火)17時18分

ツイッターの可能性について語り合う安替氏(左)と津田大介氏   Nagaoka Yoshihiro

 たった140字の「つぶやき」がリアルタイムで世界に広がり、世界をつなげるツイッター。06年にスタートしてから4年でユーザー数は1億6000万人を超え、共同創業者のエバン・ウィリアムズは「3年後には10億人」とぶち上げている。単なるコミュニケーションツールにとどまらず、ときにジャーナリズムや独裁政権に立ち向かう「武器」の役割まで果たすツイッターは社会を、そして世界をどう変えるのか。日本と中国というある意味対極に位置する社会でツイッターユーザーとして活躍する津田大介氏と安替(アンティ)氏の対談を通じて、ときに言語の壁を超え、社会を変えるツイッターの可能性(と限界?)を探った。
(編集部・長岡義博、通訳は北京在住ジャーナリストのふるまいよしこ氏)


――まず安替さん、津田さんのことをどれくらい知っていましたか?

安替:津田さんの著書『Twitter社会論』も持っていますし、津田さんが「ミスターツイッター・イン・ジャパン」だということも、ツイッターを使った生中継を「tsudaる」ということも知っていました。

――津田さんは?

津田:こんなに面白い人が中国にいる、と紹介されてネット上のインタビュー記事を読んだのが初めてでした。何より親近感をもったのは世代が同じということ。ネットの可能性を知ったあと10年ぐらい社会経験を積んで、さらにそのあとツイッターという個人メディアを使って社会との関わりを大きくしていこうとしているところにも共感しますね。

――日本と中国は言論の自由に関する状況も、ツイッターの役割も違うと思いますが。

津田:日本人には中国の人たちがどうやってツイッターを使っているか、という情報があまりない。だいたい政府にアクセスをブロックされているが、数万人が迂回して利用している、というところで止まっています。ただどうも実際は違って、早稲田大学の僕のツイッター・ジャーナリズムの授業に出ている中国人学生に聞くと、ツイッターでなくて迂回しなくてすむ新浪網などの「マイクロブログ(微博)」を使っていると言う。ぜひ安替さんにその違いを教えてもらいたいです。

安替:ツイッターとマイクロブログの機能は基本的に同じだが、社会における役割がかなり違います。ツイッターは中国2000年の歴史の中で孔子の出現以来、初めて人々に100%の言論の自由を提供したプラットホーム。孔子の時代から、中国の知識人は自己規制して真実の90%を伝えればよい、という「春秋筆法」の姿勢で満足して来ました。

だが残りの10%こそが中国社会の中で話題性があり討論すべき内容で、その10%を議論するのがツイッターの役割。マイクロブログはこれまでの伝統メディアと同じやり方で運営されていて、そこでの内容は「残り10%」が語られません。「壁」を乗り越えてツイッター使う努力をしている10万人は、「10%」を語る重要性を理解してあえて使っている。だから私もツイッターを使い続けているんです。

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