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韓流ファッションの「危険」を政府が警告

流行にはまれば失明やけが、命の危険さえあるという根拠は?

2010年9月8日(水)14時24分
パトリック・ウィン(バンコク)

 いまタイの若者をとりこにしているのは、自国の芸能人でもレディー・ガガでもない。マスカラを塗りたくった10代の女の子たちにとって、流行ど真ん中は韓国だ。

 タイ政府はこの韓流現象を決して歓迎していない。新たな最新ファッションが韓国から入ってくるたび、政府は失明やけがだけではなく、命の危険をもたらすと警告している。

 タイ保健省によれば、瞳を大きく見せる効果があるソウル生まれの「ビッグアイ」コンタクトレンズの着用には失明の危険性が伴い、友達同士で使い回せばエイズ感染の恐れもあるという。韓国人歌手愛用の分厚い付けまつ毛も、失明の原因になるらしい。有害な美白クリームや整形手術で韓国人的な外見を手に入れようとする動きにも、警告の声が上がっている。

 最近の標的は、ソウルからもたらされた黒いレギンスの流行だ。暗い色を好む蚊を引き付けるので、若い女性がデング熱に感染する危険が急速に高まるという。

 韓流ブームが一気に広まったのは06年。今やタイから韓国を訪れる観光客の数は、10年前の2倍以上の20万人近くに膨れ上がった。 軽薄で性的過ぎるとタイ政府が非難しようが、健康面での脅威を持ち出そうが、この流行は当分収まりそうにない。

[2010年9月15日号掲載]

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