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日米同盟の終焉にはまだ早い

2010年6月28日(月)12時40分
クリスチャン・カリル

戦争の可能性こそ低いが

 中国は東南アジアの海でも存在を誇示している。ベトナムやフィリピンなど複数の国が領有権を主張する南沙諸島に艦艇を送り込み、周辺国に脅しをかけた。インド洋でも、インドが嫌がるのもお構いなしに戦略的な強みを見せつけた。

 台湾併合は今も中国にとって最大の政策目標の1つ。このため中国海軍は、必要とあらば台湾をカバーする米海軍第7艦隊に対抗できるよう、長距離対艦ミサイルなど装備の強化を熱心に進めている。

 中国が実際に戦争を起こすことはないだろうと、専門家の見方は一致している。ただし中国の台頭に伴い、近隣諸国との緊張が高まるのはある程度避けられない。重要なのは、こうした緊張を管理可能なレベルに抑えることだ。

 だからこそ日米関係の終焉を心配するのはまだ早い。良くも悪くもアメリカと日本は、今も安全保障の領域で協力するべき理由が十分存在するのだから。

Foreign Policy特約)

[2010年6月 2日号掲載]

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