最新記事

古代エジプト

ツタンカーメンは本物の男だった

2010年2月25日(木)13時18分
シャロン・ベグリー(サイエンス担当)

仮面の下は CTスキャンの結果、少年王が「女性化」していなかったことを示す証拠が見つかった Michaela Rehle-Reuters

 謎に包まれた古代エジプトの少年王ツタンカーメンの死因や血縁関係が、このほどDNA鑑定で解明された。エジプト考古最高評議会のザヒ・ハワス事務局長を中心としたチームが行った調査で、19歳ぐらいで死んだツタンカーメンをはじめ、紀元前15〜11世紀のエジプト王族のミイラ11体からDNAを抽出。その結果、身元不明だったミイラ3体がツタンカーメンの両親と祖母だったと判明した。

 さらにツタンカーメンの体内からマラリア原虫のDNAが見つかった。調査チームは、血流障害で骨が壊死する無血管性骨壊死とマラリアの合併症が死因ではないかと推測している。ツタンカーメンの墓に杖が埋葬されていたことから、生前に歩行が困難だったことがうかがえる。

 しかしもっと面白いのがミイラの生前の容姿。ツタンカーメンの時代の王族は女性化か、少なくとも両性具有的な姿が彫刻などで残されている。このため王家の男性は遺伝的に、ホルモン分泌の異常があったのではないかという憶測もあった。しかしCTスキャン検査の結果、その兆候は見られなかった(女性化していないことを示す証拠として、ペニスが良好に発達していたという)。古代エジプト王族の女性的な造形は、当時の芸術手法だったようだ。

[2010年3月 3日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

独スタートアップ、30メガワット級AIデータセンタ

ワールド

豪中銀、来週会合で利上げ是非を真摯に議論 不確実性

ビジネス

富士通、防衛装備庁からAIエージェントの研究受注 

ビジネス

2月工作機械受注は前年比24.2%増、8カ月連続プ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目のやり場に困る」密着ウェア姿がネットを席巻
  • 4
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 5
    ダイヤモンドのような「ふくらはぎ」を鍛える最短ル…
  • 6
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 7
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 8
    身長や外見も審査され、軍隊並みの訓練を受ける...中…
  • 9
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 10
    トランプも無視できない? イランで浮上した「危機管…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 8
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 9
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中