<コロナ禍のいま人々がどのように幸福を見いだしているかは、国や地域によってさまざま>

2020年は、幸せを追求することがかつてなく難しく感じられた1年だった。と同時に、孤独で暗い日々の中に幸せを見つける人間の強さを知った1年でもあった。もっとも、実際に人々がどのように幸福を見いだしているかは、国や地域によってさまざまだ。ヘレン・ラッセルの著書『幸福の地図』から厳選したアイデアに、本誌が見つけたものを加えて、世界の人々が実践している「幸福の秘訣」を紹介する。

01 サウダージ(ブラジル)

happiness01.jpg
Grafissimo/iStock.

「サウダージ」、つまり失われた幸せへの郷愁は、ブラジルやポルトガルの文学や音楽でおなじみのテーマ。17世紀ポルトガルの作家マヌエル・デ・メロいわく、これは「苦しくも楽しく、楽しくも苦しい」感情だ。

02 ニクセン(オランダ)

magl210216_MAP2.jpg
ATLANTIDE PHOTOTRAVEL/GETTY IMAGES

不安を解消し、創造性を高めたい? それなら、オランダ人が言う「ニクセン」、つまり「何もしない」を実践してみてはどうだろう。特定の活動をせず、精神を自由に浮遊させれば、人生への充足感が湧いてくるかもしれない。

03 フリルフスリフ(ノルウェー)

magl210216_MAP3.jpg
ALEXEY KARAMANOV/GETTY IMAGES

ノルウェー語に「フリルフスリフ」という言葉がある。「自然に囲まれて、心身共に元気になる」といった意味だ。ノルウェーの人々の幸福度が高いのは、自然の中で時間を過ごすことを好むライフスタイルが理由かもしれない。

04 シス(フィンランド)

happiness04.jpg
mihtiander/iStock.

フィンランドの人々は、どうやって過酷な冬を乗り切っているのか。その秘訣は「シス」にあると言われる。困難に負けない不屈の精神のことである。長時間サウナで汗をかき、凍った海で泳ぐのも、その一環と言えそうだ。

05 メラキ(ギリシャ)

happiness05.jpg
NATASHA BREEN-REDA&CO-UNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES

食卓に着く人の心を喜びで満たすギリシャ料理。その全てに含まれている隠し味が、愛に突き動かされて一心不乱に課題に取り組む姿勢、「メラキ」だ。これを実践すれば、本人も周囲の人たちも幸せになれるという。マルチタスクはやめたほうがいい?

06 ウブントゥ(南アフリカ)

magl210216_MAP6.jpg
MIKE HUTCHINGSーREUTERS

「ウブントゥ」は、博愛主義の精神を表現した言葉だ。2013年、南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領の追悼式でバラク・オバマ米大統領(当時)は、「ウブントゥ」の立派な実践者としてマンデラをたたえ、「周囲の人を思いやる」ことの意義を説いた。

07 ケイフ(トルコ)

<冒頭写真>トルコの人たちは、友人と軽食を楽しんだり、海辺を散歩したりするなど、日常のちょっとした時間を大切にする。それがトルコ語で言う「ケイフ」。この習慣を取り入れれば、手軽に幸せを味わえるかもしれない。

08 ワビサビ(日本)

happiness08.jpg
NATASHA BREEN/GETTY IMAGES

「ワビサビ(侘び寂び)」という考え方の根底にあるのは、はかなさや不完全さを尊ぶ思考だ。仏教の影響を強く受けて形作られた日本の文化では、生命が無常のものであることを認め、物事を最も自然な状態のまま受け入れることにより、人生への充足感を得られるとされる。それは、端の欠けた陶器や、老いつつある人の顔に価値を見いだすことだったり、宙を舞う桜の花びらをめでることだったりする。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます