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クルアンビンの摩訶不思議な魅力

To Sound Like The World

2020年07月13日(月)18時20分
デービッド・チウ

クルアンビンの今後の予定はどうなっているのか。アルバムを発表したとはいえ、新型コロナの影響で、しばらくツアーには出られそうにない。だからまた、曲作りとレコーディングをすることを考えていると、リーは言う。

「今は世の中がストップしてしまっている。でも、私たちはみな健康で運が良かった。それに全てが止まっていることを感謝するべきだとも思っている。自分を成長させたり、通常の音楽活動中はできないことに時間を費やせるのは、今しかないかもしれない」

『モルデカイ』はクルアンビンにとって、これまで以上に幅広いファンをつかむチャンスになるかもしれない。だが、10年間一緒に活動や旅をしてきた3人にとっては、もはや家族のようになったこの関係こそが最も重要なのだと、リーは言う。

「大事なのは結果ではなくプロセスだ」と、彼女は言う。「もちろんアルバムが高い評価を得ればうれしいし、ライブに多くの人が来てくれて、アルバムが売れたらうれしい。でも真の喜びはアルバムを作るプロセスにあった」

クルアンビンの3人にとっては、大観衆を集める人気バンドになることよりも、自分たちが楽しいと思えることのほうが重要だと、リーは言う。

「結果はどうあれ『モルデカイ』の制作が素晴らしい時間だったのは間違いない。それはとても確かな経験だった」


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