最新記事

感染症対策

外出自粛で仕事に子供のホームスクーリングまで 欧州、新型コロナで母親の負担増が明らかに

2020年05月25日(月)20時45分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

ホームスクーリングに昼食の用意とステイホームは女性への負担が増えることが明らかに。valentinrussanov - iStockphoto

<新型コロナの死亡リスクは男性が高いというが、生活で影響を受けるのは女性の方が圧倒的に多いようだ>

ヨーロッパでは、新型コロナウイルスによる都市封鎖の段階的解除が進んでいる。各国で外出自粛下の親の心理状態について尋ねた結果が明らかになった。どの国でも、男性よりも女性のほうが負担を感じている様子が見受けられる。

オーストリア 封鎖解除1番手、育児が負担

オーストリアは、3月初旬に、ほかのヨーロッパ諸国に先駆けて移動制限や休校を実施した。ロックダウン(都市封鎖)の段階的解除も1番手で、4月中旬から小規模店の再開が始まった。

シンクタンク機関モメントゥム・インスティテュートは、親が仕事と育児のバランスをどう保っているかを把握しようと、緩和開始とともにアンケートを実施した(同機関の依頼で調査機関ソラが実施)。回答者は、15歳未満の子供をもつ親524人(202人が電話で、322人がオンラインで)。

子供の年齢層により多少差はあるが、全体の54%が被雇用者、8%がフリーランス、21%が短時間労働者(労働時間の短縮により、減った給料の一部を国から補ってもらえる人)、7%が育児休暇中、7%が失業者などだった。ロックダウンのために43%が在宅ワークになっていた。

休校の影響、そして育児に関して子供の祖父母を頼りにできなくなった人が25%いて、自分たちで子供の面倒をみる親たちが増えた。多少なりとも1人で過ごす子どもは、ロックダウン前は10%で、アンケート時は11%とほとんど変化はなかった。

父親か母親のどちらが主に子供の世話をするかは、表のように、子供のために時間を割く父親の割合が上昇したものの、依然として母親が世話役をする傾向が強かった。母親は、子供の世話のために仕事の時間を減らしたケースが多い。これらの結果、女性全体の51%が現在の状況を非常に負担に感じていた。ただし、男性も40%が非常に負担に感じると答えた。

親が仕事と育児のバランスをどう保っているかのアンケート調査

またウィーン大学の研究者がロックダウン中に行った生活満足度の調査でも、似たような結果が報告された。満足度は不満足の0から満足の10までの尺度で、2018年時の結果と比較した。

ロックダウンで男女とも顕著に数値が下がり、男性が2018年の7.8ポイントから平均1.17ポイント減少した一方で、女性は2018年の8ポイントから平均1.68ポイントの減少で満足度が男性より低くなった。男女差の要因は、女性の側に家事と子供の世話が増えたことではないかと指摘している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

豪BHP、上半期利益が22%増 銅・鉄鉱石など好調

ワールド

豪中銀、2月利上げ後の金利見通し不透明=議事要旨

ビジネス

インド、1月のモノの貿易赤字は346.8億ドル 3

ワールド

トランプ氏、イラン核協議に「間接的関与」 合意に期
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    選手村のコンドーム配布 ユース五輪で配ると「本当…

  • 2

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的な…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    「自由すぎる王族」レディ・アメリア・ウィンザーが「…

  • 5

    キャサリン妃とウィリアム皇太子の「ご友人」...ロー…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    選手村のコンドーム配布 ユース五輪で配ると「本当…

  • 3

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的な…

  • 4

    「自由すぎる王族」レディ・アメリア・ウィンザーが「…

  • 5

    キャサリン妃とウィリアム皇太子の「ご友人」...ロー…

  • 1

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 2

    シャーロット王女が放つ「ただならぬオーラ」にルイ…

  • 3

    選手村のコンドーム配布 ユース五輪で配ると「本当…

  • 4

    ハリウッド大注目の映画監督「HIKARI」とは? 「アイ…

  • 5

    完全コピーされた、キャサリン妃の「かなり挑発的な…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア

特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア

2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ