最新記事

新型コロナウィルス

日本と雲泥の差。「神が守る」と言う人も現れはじめたヨーロッパの不安

2020年03月19日(木)15時55分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

ジュネーブ大学病院側に設置されたコロナウイルス検査のための医療用テント(3月17日) Pierre Albouy-REUTERS

<2月最終週にスイスで初の感染者が発生してから2週間半経ち、政府が100人以上の集会禁止と全国休校を宣言。状況は一変した...>

対岸の火事が一気に非常事態に~第二次大戦以来の軍隊大量動員で援助

新型コロナウイルスのヨーロッパでの感染拡大が、深刻な状態だ。まだピークには達していないといわれ、寸分の狂いない状況予測は誰にもできない。改めて、日本時間の3月19日早朝の統計をまとめてみた(表参照)。

corona-nww-200318-001.jpg

出典 https://www.worldometers.info/coronavirus/ 

3月16日、日本では、5月に嵐が「アラフェス」を7年ぶりに開催するという発表があったが、ヨーロッパから見たら雲泥の差だ。日本での感染は、少し落ちつき始めたと捉えられているのか。イタリアに続いて、スペイン、ドイツ、フランスで多くの商業施設が閉鎖、教育施設が休校、自宅待機(移動制限)などの措置が次々に出され、まったく穏やかでない。スイスでも同様の措置が出ているが、第二次世界大戦以来で初めて大量の軍隊を動員することが決まり、最大8千人が患者の搬送やケア、病院内の仕事(ベッドの消毒や洗濯など)、仮設病院の建設などの仕事にあたる。

この非常事態を信じ難い。筆者の夫の勤務先でも感染者(違うビルのほかの部署の人)がいたり、息子が通う高校の生徒の保護者(医師)で、診察した患者に感染者がいたなど、身近で感染の話を聞くようになったとはいえ、ウイルスがここまで一気に広がるとは、多くの人たちはまったく想像していなかっただろう。 

振り返れば、日本で感染が始まった1月は、スイスでマスクや消毒液を買っておいた人は一部だったはずだ。筆者は、近所に住む日本人の友人と「マスクを買った?」と話題にしていた。2月に入り、クルーズ船ダイヤモンドプリンセス内での集団感染について報道され始め、中旬には、フランスでヨーロッパ初の感染による死亡者(80歳の中国人観光客)が出た。スイスは、スイス国際航空が中国本土発着の全便を欠航していて、冬でも中国人観光客団体が押し寄せる人気スポットは閑散としていた。このころ、スイスでは約250人が検査を受けていて全員が陰性だった。

対岸の火事ではなくなったのは、2月の最終週にスイスで初の感染者が発生してから2週間半経ち、政府が100人以上の集会禁止と全国休校を宣言したときだ。

パニック買いでトイレットペーパーが消えた

その日から、全国的にパニック買いが起きた。世界のあちこちで見られるように、トイレットペーパーも消えた。政府が「備蓄は十分です(*)。いまパニックに陥る理由はありません」と述べても、そのうち、他国のように外出制限が出て、買い出しの回数を減らすことになるかも、流通も滞るかもと慌てた人たちがあらわになった。

*政府は非常時の政策として、全国民のために最低3か月分の食料――たとえば16万トンの穀類、6万3千トンの砂糖、1万5400トンの米、3万3700トンの食用油――を備蓄している

ニュース速報

ワールド

菅首相、米国務長官・中国外相と相次ぎ会談へ 近く来

ワールド

トランプ米大統領、最高裁判事に保守派バレット氏を指

ビジネス

北京自動車ショー開幕、中国市場は堅調に需要回復

ワールド

大統領選、結果判明に数カ月要す恐れ 郵便投票で=ト

RANKING

  • 1

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 2

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 3

    ビーチでトップレス姿が減少、その理由とは

  • 4

    フランス人の自信の秘密は「性教育」にあった!? 実…

  • 5

    世界最大級のネコ、体重320キロのアポロを見て単純に…

  • 1

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 2

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 3

    フランス人の自信の秘密は「性教育」にあった!? 実…

  • 4

    ビーチでトップレス姿が減少、その理由とは

  • 5

    世界最大級のネコ、体重320キロのアポロを見て単純に…

  • 1

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 2

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 3

    親の過干渉が子どもの幸福感を下げる

  • 4

    夢の国ディズニーで働くキャストの本音

  • 5

    「英語下手」だった韓国人の英語力が向上したワケ

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:コロナで世界に貢献した グッドカンパニー50

2020-9・29号(9/23発売)

新型コロナで企業フィランソロピーが本格化──利益も上げ、世界を救うグッドカンパニー50社を紹介

MOOK

ニューズウィーク日本版

絶賛発売中!