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モラル・バイタリズムの賜物? 魔女信仰と感染症防止の関係に新説

Witchcraft and Disease

2019年11月29日(金)16時05分
ロージー・マッコール

今回の研究では28カ国の3202人の大学生に「この世には超自然的な善と悪の勢力が存在する」などの見方について意見を求めた。その結果、ドイツやフィンランドなどヨーロッパ中部と北部の国々はモラル・バイタリズムが低く、歴史的にも病気の流行が少なかった。中国やインドネシアはその対極で、アメリカは病気の発生は少ないがモラル・バイタリズムは高いという独特な結果を示した。

【参考記事】人肉食の被害者になる寸前に脱出した少年、14年ぶりに故郷の村へ

研究者らはモラル・バイタリズムと保守主義の関係も指摘している。病気の発生率が高い地域では、モラル・バイタリズムが保守主義の高まりを助長した可能性があるという。例えば伝統的な文化規範(食事の準備の仕方など)や自民族中心主義(よそ者を避ける傾向)は、共に保守主義に関連している上、病気の蔓延防止につながる。

もちろん邪悪な存在の信仰に関係している要因は、ほかにもあるだろう。だが研究チームは、3つの研究ががもたらす結論には強い説得力があるとして、悪魔信仰は病気への心理的反応の少なくとも一部と言えると結論付けている。

中世の魔女狩りには、隠れた役割があったということか。

【参考記事】米国でミレニアル世代を中心に「魔女」が急増中、その理由とは


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[2019年11月26日号掲載]

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