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インタビュー

可憐なアリスから闇を抱えたSM嬢へ、村上龍原作のサイコスリラー出演女優の挑戦

A Taste for Sadomasochism

2019年06月27日(木)17時40分
マリア・ブルタジオ

ジャッキーを待つのは殺人衝動を持つ男だった ©2018 BY PIERCING FILM. LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

<ミア・ワシコウスカがサイコスリラー『ピアッシング』で新境地>

『アリス・イン・ワンダーランド』で知られる女優ミア・ワシコウスカが、ニコラス・ペッシェ監督の『ピアッシング』でSM風俗嬢ジャッキーを演じている(原作は村上龍の同名小説)。

この作品では殺人衝動に駆られる男リード(クリストファー・アボット)が妻のアドバイスを受け、SM嬢を殺そうとする。ところがホテルに現れたジャッキーには自殺願望があり、2人はサドマゾの奇妙な関係に陥っていく。ただの性的なゲームなのか、それとも......。ワシコウスカに本誌マリア・ブルタジオが話を聞いた。

――ジャッキーを演じた感想は。

これまで内気で陰気な役が多かったから、分かりやすくて率直なジャッキーにワクワクした。彼女が垂れ流す汚い言葉も気に 入った。全く違うキャラクターを演じるのはとっても楽しい。

――彼女みたいになりたいと思う部分を挙げるとしたら。

う〜ん、ヘアスタイルかな。すっきりしているから。

――彼女が自分の脚を刺すシーンをどう解釈した?

いろんな考え方ができる。ジャッキーはリードをその気にさせようとしたのに、笑われてしまう。これは彼女にとってばつが悪くて、恥ずかしい瞬間。だからその後の自傷行為は、「ふざけるな」と抗議するためだと思う。こうやって自分を傷つけ、おまえも傷つけてやるぞ、と。

――リードの妻の態度は理解できるだろうか?

これは現実なのか幻想なのか分からない。最初に脚本を読んだとき、「なんてひどい」と思った。そしたら監督のニコラスが「いや、これは彼の願望で、夫婦の会話も彼の想像かもしれない。だから観客が好きなように考えればいいんだ」って。そうはいっても、彼女が薄気味悪い母親みたいなのは確か。困ったときに相談すると、あれこれ指南してくれる存在というわけ。

――ニコラスとの仕事はどんな感じだった?

当時は(彼の監督デビュー作)『ジ・アイズ・オブ・マイ・マザー』(16年)は見たことがなかった。でも私の周りの誰もが素晴らしい作品で、彼は刺激的な新人監督だと絶賛していた。だから『ピアッシング』の撮影中に見に行ったの。ゾッとさせられる傑作で、評判どおりだということが納得できた。


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※7月2日号(6月25日発売)は「残念なリベラルの処方箋」特集。日本でもアメリカでも「リベラル」はなぜ存在感を失うのか? 政権担当能力を示しきれない野党が復活する方法は? リベラル衰退の元凶に迫る。

[2019年7月 2日号掲載]

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