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インタビュー

「幸せな結婚生活」の科学 研究者夫妻が導き出したシンプルな心的因子とは?

2019年05月20日(月)15時35分
今井順梨


隆司さん:人の性格の50%は後天的なものなので、変えることができます。本人がまずいと自覚している部分は変えられるのです。だから避けるべきタイプなんてものは、本来ありません。

ただ、誰しもコミュニケーションがうまくいかない相手は避けてしまう傾向にあると思います。例えば、何を聞いても何を話しても「はあ」しか言わない人がいるとします。でも彼の「はあ」の中には、深い意味があるかもしれない。熟慮した上での「はあ」かもしれない。このように4因子で見れば、どんな言動でもポジティブにとらえることができます。すべての行動には意味があるし、すべての人にいいところがあります。

とはいえ前野夫妻は、パートナーを得ることをゴールと考えないようにすることが大切だとも説く。結婚したというだけでは幸せになるどころか、不幸になっていくのが生理的な傾向だからだ。結婚した当初は幸せホルモンと言われるエンドルフィンが分泌される。しかし、それが続くのはせいぜい3年程度だ。エンドルフィンの効果が切れるとドキドキが薄れて、関係がマンネリ化していく。

そのため、幸せになるために一緒になったのに不幸になってしまうという悲劇を防ぐためには努力が必要だ。ニコイチの関係を円満に続けていくためには、相手の言葉を傾聴すること、そしてどんなことでもポジティブに聞くことが大事なのだそうだ。


マドカさん:以前、夫に誘われて山伏体験に参加しました。軽い気持ちで行ったら大変な目にあったんです。山を何時間も歩く修行をしますが、3日間お風呂に入れないし、食事も決められた短い時間で済ませなければならない。おしゃべりな私にとって特につらかったのは、私語厳禁という決まりで、夫がそこにいるのに話し掛けてはいけないんです。声に出して許されるのは「うけたもう」のフレーズだけ(笑)。

「うけたもう」は「承ります」という意味ですが、名前を呼ばれたり、次にすることの指示が出されたら、「うけたもう」となんでも引き受けるのです。だから乗り気でない「うけたもう」や、疲れているときの「うけたもう」、前向きに引き受けたときの「うけたもう!」など、いろいろな「うけたもう」が出てくるのを自覚しました。

これは人生の縮図です。パートナーの言葉を真剣に聞き、相手の頼みをポジティブに「うけたもう」しようとすることは信頼と尊敬がある証しです。パートナーだけではありません。人に対していつも最高の「うけたもう」を伝え合えることは、とても幸せなことだと気づいたんです。まさに「うけたもう」は、ニコイチを円満に保つ言葉です。

表紙のリンゴは、愛と世界平和の象徴

2人の著書『ニコイチ幸福学』では、幸せの4因子をどうしたら伸ばせるかだけではなく、4因子を駆使して恋人を作ったり、パートナーとの絆を深めたりするための具体的な方法が紹介されている。そして、もちろんニコイチは、結婚という形にのみ限って適応されるものではないし、異性間のパートナーシップに限ったものではない。事実婚、同性のカップル、友人同士であってもニコイチは築ける。

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