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夫婦でも、無条件の献身はありえない──人気の海外ドラマが描くエリート夫婦の「共闘関係」とは?

2018年11月07日(水)17時30分
小堀栄之(経済ライター)

フランクの腹心として出演を重ねてきたマイケル・ケリー Mario Anzuoni-REUTERS

<絶対的な「権力」を目指した男を支えた妻の振る舞いは、夫婦という人間関係の参考になりそう>

2013年にネットフリックスでシーズン1が公開され、一躍人気作品となった『ハウス・オブ・カード』。映画監督のデヴィット・フィンチャーが制作の総指揮を執り、アカデミー賞俳優が主演を張る豪華布陣で、映画に劣らぬ完成度の高さが視聴者に驚きを与えた。

ストリーミング専用のドラマとしては異例のエミー賞ノミネートを果たし、主演(シーズン1~5)のケビン・スペイシーと妻役のロビン・ライトがゴールデングローブ賞を受賞。オバマ元大統領もファンだと公言していたことでも有名だ。この作品が11月2日、最終章となるシーズン6をネットフリックスで世界同時配信された。これに合わせ、3回にわたってドラマの魅力を解説。第2弾は、シーズン3~4にかけての見所をお伝えしたい。

【第1弾】名人は危うきに遊ぶ──キレッキレの処世術は『ハウス・オブ・カード』に学べ

最高権力者にしか見ることのできない風景

権謀術数を繰り広げ、政治家に加えて中国や米国の大富豪といった手強いライバルを蹴落とし、フランシスはシーズン2の終わりに自らが大統領になることに成功する。シーズン3以降のフランシスは、国のトップとしてロシアとの厳しい駆け引き、テロとの戦いといった現実世界を想起させるテーマに直面する。

視聴者は主人公を通じて、最高権力者にしか見えない「風景」を見、重大な決断を迫られる苦悩を体験することになる。国務長官や軍のトップが集まる危機管理室での緊迫したやりとりや、大国との外交の裏側、そして再選に向けた選挙戦の攻防は、迫真に満ちる。

シーズン1~2でフランシスが示した破天荒さは、大統領になってからも健在だ。国のトップとしての最大の公約である大型の雇用創出政策「アメリカ・ワークス」を実現するために、災害対策用の資金に目を付け、横流しさせようともくろむ様子や、政策を実現するために2016年の大統領選への出馬を出したり引っ込めたりする様子は、このドラマならではの大統領像と言える。

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