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週休3日にしたら幸せになると判明──「労働時間=仕事の成果」ではない

2018年07月23日(月)17時25分
松丸さとみ

しかもいい効果は意外なところにも現れた。パペチュアル・ガーディアン創業者のアンドリュー・バーンズ氏は、電気代の請求書が20%ほど安かったことも付け加えた。というのも、試験期間中は社内で働く人の数が通常時より少なかったため、電気代が抑えられたのだ。

バーンズ氏は、もっと多くの会社が週休3日制を導入すれば、もっと多くの影響を作ることができる、と指摘する。電力だけにとどまらず、例えばラッシュアワーに移動する車の量も20%減るだろうし、オフィス・スペースももっと小さくて済むかもしれない、と話す。

つまりこれを日本に当てはめると、あの殺人的な通勤電車の混雑が緩和される可能性があるということかもしれない。

労働契約のあり方を根本から変えるかも?

フランスでは、2000年に法定労働時間を週35時間に削減している。しかしニューヨーク・タイムズによると、競争力の低下やスタッフ採用コストの増加を指摘する企業が多いとのことだ。

一方でスウェーデンのヨーテボリ市では2016年、養護施設の就労時間を1日6時間に短縮(給与の削減はなし)して生産性をテストした。こなした仕事の量はこれまでと変わらないかむしろ増えた(2016年5月20日付ニューヨーク・タイムズ)うえ、介護士が元気になって介護の質が上がったという。

パペチュアル・ガーディアンのバーンズ氏は今回の試みの結果から、雇用契約を従来的なものから変える必要性を感じたという。これまでのように会社にいて欲しい時間(つまり就業時間や拘束時間)に対して給与を支払うのではなく、こなして欲しいタスクを決めてそれに対して報酬を払うようにすべきだと言うのだ。

「求められた成果を短い時間で達成してくれたスタッフの報酬を、(勤務時間に合わせて)減らす必要などないですよね?」

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