真っ赤な嘘だった名キャスターの戦場武勇伝
既にオバマ陣営に押されていたヒラリーの選挙運動が、この発言でさらなる打撃を受けたのは間違いない。だが、ここに興味深い事実がある。NBCのウィリアムズが最初に「被弾体験」を語ったのは、ヒラリーの発言が問題になった直後であることだ。彼が08年5月12日に書いたブログの一部を紹介しよう。
「私はNBCの軍事アナリストの友人と陸軍の任務に同行していた。ロケット弾とAK47を所持したイラク人と思われる人々から攻撃され、前方を飛ぶヘリの後部回転翼が被弾。低空飛行していた私たちのヘリ4機にもロケット弾が飛んできて、緊急着陸を余儀なくされた」
ウィリアムズは、ほんの数週間前にヒラリーの身に起きたことを目にしていながら、あえて大げさなほら話を始めたことになる。NBCの同僚が言うように、リトルリーグの自慢話とは違う。ウィリアムズにも、当時のヒラリー並みの非難が浴びせられるべきではないだろうか。
© 2015, Slate
[2015年2月24日号掲載]