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追悼マイケル・ジャクソン『スリラー』25周年、色あせない輝き
伝説的なゾンビの振り付けをフィリピンの囚人が再現して大ヒット
ハンサムでチャーミング。色気があるのに無邪気で、ときに挑発的......。全盛期のマイケル・ジャクソンは、そんな言葉で表現されたものだ。
ジャクソンの『スリラー』がリリースされた82年12月1日から、今年でちょうど25年。これまで全世界で1億枚以上も売り上げたという伝説的なアルバムだ。同名のシングルのプロモーションビデオは、ホラー映画風の演出とダンスで音楽ファンに衝撃を与えた。
今年4月には、奇妙な動画がユーチューブにアップされた。フィリピンの刑務所内の囚人たちが、「スリラー」のゾンビの振り付けそのままに、ダンスを披露する映像だ。刑務所のレクリエレーションの一環なのだとか。
この映像の噂は口コミで広がり、今ではアクセス数が900万に迫る勢いだ。フィリピンの刑法制度が注目されているわけではない。ジャクソンのダイナミックな演技を囚人たちが見事に表現しているからだ。
この25年間に、ジャクソンは多くのスキャンダルを巻き起こしてきた。児童への性的虐待疑惑で告発され、整形手術を重ね、自分の子供を窓からぶら下げるなどの奇行も注目の的となった。
それでも彼の偉業は不滅だ。『スリラー』に封じ込められた当時のジャクソンの魅力と迫力は、今も色あせることはない。
[2007年12月12日号掲載]